●鬼神楽●
【〜楽業の章・第12話〜】
この色…東風
この色…鬼火
この色…武士・女中・ガヤ(注:ガヤ・全員部分は、ファイル名 セリフ番号_お名前 )
この色…その他
ガヤ:一本のファイルに、三パターンほど入れて下さい。
    その際には、それぞれの間を2秒ほど空けてくださると助かります】
※万一使用セリフに不安がある場合には、よろしければ、こちらから指定させていただきます。
セリフ番号
「セリフ」
(鬼火一族、全員でのタイトルコールになります/ファイル名 01_役名)
01_一族全員 ※「―――これで総て終わりだと―――」
02_一族全員 ※「―――総てが終わるのだと―――」
03_一族全員 ※「―――それだけを、信じて―――」
(主の屋敷にて。東風で生き残っていた茶々、浅葱が合流する)
04_茶々 「!」
05_浅葱 「茶々! 無事だったんですね!?」
06_茶々 「浅葱…!」
07_浅葱 「それにしても……こんな事になるなんて」
08_茶々 「(顔を覆って泣き崩れる)……駄目…駄目…! もうどうしようも…!
どうしたら良い…? どうしたら良い…ッ!!」
09_浅葱 「茶々」
10_茶々 「みんな、死んでしまった…っ、近衛も、芳も、…円も!!」
11_浅葱 「…ええ」
12_茶々 「浅葱…茶々はもう駄目…このまま滅びていくのをただ待つしか…!」
13_浅葱 「茶々、滅びはまだ来ていません」
14_茶々 「(がばっと顔を上げて)茶々に何が出来る!?
茶々が死ねば元に戻るならそうする!! 茶々にいったい何が出来るというの…っ!!」
15_浅葱 「落ち着きなさい、茶々。あなた一人の命で贖えるほど、
事は簡単じゃない、そんな事は分かっているはずです」
16_茶々 「でも―――っ」
17_浅葱 「どうすれば良いのかなんて私が知りたいくらいですよ―――」
18_茶々 「浅葱…っ」
19_浅葱 「嘆いている余力があるのなら、自分自身に今 何が出来るのかを考えなさい!」
(タイトルコール)
20_一族全員 ※「鬼神楽 楽業の章 最終話」
(出口を探していると、千波流・伊織・彩登と、浅葱・茶々がばったり出会う)
21_伊織 「千波流! 誰かいる!」
22_千波流 「下がってろ伊織!」
23_浅葱 「…待ってください。私たちは武器を持っていない」
24_伊織 「誰っ!! 姿を見せなさい!」
(そこに現れたのは(茶々、浅葱は面を既に取っています))
25_千波流
25_伊織
25_彩登
※「!!」
26_彩登 「か、各務…っ!?」
27_伊織 「夜紫乃…!?」
28_浅葱 「―――鬼火の、方ですか」
29_伊織
29_彩登
※「(ハッと我に返る)」
30_千波流 「―――お前は」
31_浅葱 「東風の浅葱。こちらは、茶々です」
32_茶々 「……」
33_彩登 「え、こ、…東風って…っ」
34_浅葱 「(頷く)確かに東風一族は、鬼火を殲滅するようにと命を受け、貴方たちの仲間を討った。
…だが、我々の一族も、全滅しました。…私と、茶々以外は」
35_茶々 「総ては、主の思惑通りに、…っ、……こんな、ひどい事に…」
36_伊織 「主、って…まさか」
37_茶々 「…八重という、一族の、少年だったのに」
38_浅葱 「まさか彼が、…私たちを裏切っていたなんて」
39_伊織 「…それじゃあ」
40_彩登 「……じゃあ、彩登たちと、おんなじなんだね…」
41_伊織 「うん…」
42_千波流 「…俺たちは、この屋敷から出る方法を探している。
お前たちも外に出るつもりなら―――」
43_茶々 「茶々はもちろん協力する。…それしか、もう、手がないもの…」
44_浅葱 「(頷く)異存はありません。むしろ、協力させてくれるのなら、その方が、ありがたい…」
(武器が交差する効果音)
45_亜夏刃 「まだ、だ…! お前を、ここから先に行かせるわけには、いかない…ッ!!」
46_卓麻 「(舌打ち)随分、粘りやがる」
47_亜夏刃 「ハァッ!!(剣を振り下ろす)」
48_卓麻 「―――! (受けて、剣が折れる)!? この…ッ、信じられねえ馬鹿力だな…ッ!」
49_亜夏刃 「ッ!(刺す)」
50_卓麻 「!(刺される)…ちッ!」
51_亜夏刃 「…ゼエッ…ゼエ…ッ、もらった、ぞ」
52_卓麻 「―――ッ、大した、狙いだ…ッ」
53_亜夏刃 「ふふ…っ、これ、で、…ッ、お前も、もう、終わりだな…」
54_卓麻 「うる、せえ…っ(刺す)」
55_亜夏刃 「(刺される)!! …ぐ、…ぅ…っ…―――」
56_亜夏刃 「(M)…みんな、…どうか無事で―――いてくれ」
(亜夏刃、倒れる)
57_卓麻 「(咳き込んで)…鬼火の、あげは、とか言ったか…まさかここまでの使い手とはな。
左京以上に、手練なんじゃねえのか…?(ぐらり)…っ
(M)もう―――時間の問題か―――
東風の卓麻ともあろう者が…割と、あっけなかったな…(息を呑んで、覚悟を決める)」
(卓麻の脳裏に、黒幕の嘲笑が蘇る)
58_黒幕 「(E)鬼火を滅ぼせ」
59_卓麻 「…ハ、言いなりになって、使われるなんざ、ごめんだぜ―――」
60_武士:全員 ※「鬼火・東風、共に殲滅せし!」
61_武士:全員 ※「両一族に、滅びを!」
62_黒幕 「あっはははは! 愚かな一族たち、最後は華々しく戦場にて散るが良い」
63_卓麻 「誰がテメエの思い通りになんてさせるかよ…」
(出口を探す千波流の目の前に現れたのは)
64_千波流 「くそ…っ、こちらも行き止まりか…(ハッとして)―――誰だ!」
65_卓麻 「…こっちからは外には出られない」
66_千波流 「!? …―――比奈伎!? 良かった!! みな、心配して…!」
67_卓麻 「………しんがりは俺がやる。お前は、残りを連れてとにかく外へ出るんだ」
68_千波流 「外に出る方法が見つかったのか!」
69_卓麻 「…ああ。お前が、全員を連れて先に出ろ」
70_千波流 「しかし…」
71_卓麻 「あの武器と数を見ただろう! 俺たち一族が束になっても敵わないんだぞ!
犬死する気か!?」
72_千波流 「く…」
73_卓麻 「…誰が残ってる?」
74_千波流 「…(悔しそうに)伊織と彩登だけだ。あとは…」
75_卓麻 「東風か」
76_千波流 「ああ」
77_卓麻 「…この際、鬼火も東風も関係ない。とにかく、全員で生き延びる事を考えろ」
78_千波流 「あ、ああ。分かってる」
79_卓麻 「これを持っていけ」
80_千波流 「これは火薬か? こんなものいつの間に」
81_卓麻 「これだけあれば、わずかな火種さえあれば、鉄の壁でも壊せる。
西側が、一番高さが無い…そこから出るんだ」
82_千波流 「ああ」
83_卓麻 「そして、外へ出たら…どんな方法でも良い、屋敷の南側の高台に火を放て。
…屋敷ごと吹っ飛ぶように、残りの火薬をつんである」
84_千波流 「…わかった、南の高台だな」
85_卓麻 「俺は、あとからお前たちを追う」
86_千波流 「承知した。―――比奈伎」
87_卓麻 「……」
88_千波流 「無事を祈る」
89_卓麻 「…ああ。お前もな。さっさと行けよ、間に合わなくなるぜ」
90_千波流 「…?(口調に違和感を覚える)…なあ、お前は、もしかして東風の―――」
91_卓麻 「良いから行けよ、全員で死ぬ気か!」
92_千波流 「…ッ、…すまん!! 感謝する!!」
(千波流、走り去る)
93_卓麻 「………(咳き込む)…! ぐ、う」
(真木が現れる)
94_真木 「…貴方も負けず劣らず、損な性格ですこと。
比奈伎といえば、鬼火の副頭領ではありませんの?
それを騙るだなんて、ねえ―――卓麻」
95_卓麻 「……………生きてたんだな」
96_真木 「ええ。辛うじて、ですけれど」
97_卓麻 「…左京は?」
98_真木 「わかりませんわ」
99_卓麻 「白―――いや、近衛は」
100_真木 「(少し微笑んで)みんな、わたくしより先に…楽になってしまいましたわ」
101_卓麻 「そうか―――はは…ざまあねェな―――」
102_真木 「…そうですわね。…まさか、八重が総て糸を引いていたなんて」
103_卓麻 「…ハァ…ハァ…。悪いな、…真木…」
104_真木 「―――え?」
105_卓麻 「俺も、先に…逝く…―――」
(壁に寄りかかったまま息を引き取った卓麻を抱きしめ)
106_真木 「……こんな時ですのに…あなたに名前を呼んでもらえて嬉しいなんて、
変ですわねえ。白銀の言葉ではないけれど、いつも「お前」だの「貴様」だの…」
107_真木 「…鬼火の方々は、ずいぶんみなさま親しげでしたわね…。
わたくし、きっと羨ましかった。
……ねえ。きっとわたくしたち、自分たちで思っていたよりも、
ずっとずっと仲間が…大事だったんですわね―――」
108_真木 「今、この瞬間すらも…何もかも…夢か幻のように思えるというのに…
あなたの開かないこの瞳は、動かせない真実なのね…」
(轟音が、遠くに聞こえている)
109_真木 「ああ…本当に、これが総て夢であったならどんなにか良かったでしょう。
眼が覚めると、暖かな朝日が里を照らしていて…
わたくしは、まず最初にあなたの姿を探すのよ。知らなかったでしょう―――?」
(あちこちで火の手が上がっている屋敷を、呆然と見上げている)
110_伊織 「……アタシたち…今まで何をしてきたんだろう…」
111_千波流 「伊織」
112_伊織 「毎日毎日修練を欠かさずやって…強く、なって…
毎日、戦に出て…何のために今まで一生懸命やってたんだろう……っ」
113_千波流 「……」
114_伊織 「みんな、みんな、何のために今まで戦ってたの…っ? 何のために今まで…っ…
ねえ、これって、いつか答えの出る日が来るの!?」
115_茶々 「鳥も…花も…空も大地も…いつもと変わりは無いのに。
もう、みんなが、居ない―――」
116_彩登 「何が、いけなかったの…っ!? 彩登たち、何か間違ってたの!?」
117_伊織 「なんで、みんなが死ななきゃいけないの…っ!!」
118_茶々 「何もかも変わってしまった…何もかも失ってしまった…
取り返しのつかないほどに…こんなにも―――」
119_彩登 「…どうして、こんな事になっちゃったの…っ!?」
120_千波流 「―――泣いていても何も始まらん。みんな、矢を探してくれ」
121_伊織 「千波流、どうするつもり!?
アタシたちに何が出来るの! これ以上、何をすれば良いって言うの!!」
122_千波流 「伊織!!」
123_伊織 「!」
124_千波流 「…落ち着け。まだ、俺たちにもやれる事はある
―――遠打ちが得意なヤツはいないか」
125_茶々 「あ…(一瞬躊躇うが、意を決したように)…茶々がやれる。何をすれば良い?」
126_千波流 「南の高台に火を射るんだ」
127_浅葱 「(はっとして)…屋敷をつぶすんですね?」
128_千波流 「…そうだ。アイツの言葉に賭ける」
129_伊織 「…アイツ?」
130_千波流 「……そうだ(卓麻を思い出しているのか、比奈伎を思い出しているのか)」
(使えそうな弓矢を、何とか一組だけ探し出した)
131_浅葱 「(深く頷いて)矢はこれしかない―――茶々、頼みます」
132_千波流 「では、火種を」
133_彩登 「あ…彩登、石を持ってるよ!」
134_茶々 「(火打石を受け取って)どうもありがとう…ええと…彩登?」
135_彩登 「―――っ」
136_茶々 「…? どうかした…?」
137_彩登 「う、ううん…知ってる人に、そっくりだった…から…(涙を堪えている)」
138_茶々 「…そう…。(少し屈んで視線を合わせて、優しく微笑む)
…ねえ、彩登(名前を確かめるように)。
あなたも、茶々の知っている子に、良く似ているわ―――」
139_彩登 「ほんと?」
140_茶々 「ええ…本当よ―――」
141_伊織 「…屋敷を壊して、どうするの」
142_千波流 「少なくとも、主という、俺たちを縛る存在が居なくなれば―――」
143_浅葱 「我々は自由になれるかもしれない」
144_千波流 「(頷く)…では、頼む」
145_茶々 「ええ。絶対に、外さないわ―――!!」
(佐久弥は、瀬比呂の首を拾い、その目を閉じ、そっと抱いて)
146_佐久弥 「(息を切らしている。血の滴る音。ずるり、と動いて)
―――瀬比呂。…ごめんね、…私も、一緒に、逝くから―――(倒れる)」
(茶々が弓矢を放ち、しばらくのち、屋敷が爆発する/爆発音にかぶせて雨音)
 …余談ですが、南の高台、というのは、真木と卓麻が居た所です。
147_ナレ男 「―――そこには『鬼』と呼ばれた一族が居た。
戦装束を身に纏い 見る者を凍て付かせる 恐ろしき鬼の面
忍びとも見紛う程の 優れた戦いの技を持つ
決して 歴史の表舞台には名を残さないその一族を
―――『鬼火一族』と言った―――」
148_ナレ女 「―――そこには 『風』と呼ばれた一族が居た
真白き狐の面で顔を覆い 闇に身を紛らせて
紅(くれない)の影だけを遺し その動きは まるで風を操るかの如く
決して 歴史の表舞台には名を残さないその一族を
―――『東風一族』と言った―――」
149_ナレ男 「時は戦国―――鬼人の如く戦い、風のように生きた、二つの一族」
150_ナレ女 「彼らは、死と隣り合わせの世界の中で、何を見たのか―――」
151_ナレ男
151_ナレ女
※「『鬼神楽』 〜楽業の章〜キャスト」
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