●鬼神楽●
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【〜神立風の章・第一話{2}〜】 フォルダ名【kami01-2_役名】
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キャラ :番号
「セリフ」
春日 :01 「ちょ…白銀! どこ行くんだよ!」
白銀 :02 「興が冷めた。今夜は戻らない」
春日 :03 「駄目だよ! 一人で勝手に行動するなって!」
白銀 :04 「うるさい」
:05 「ちょっと白銀、春日、二人とも何やってんの!
そんな事やってる場合じゃないでしょ! いい加減にしてよ…ホントに…ッ!」
真木 :06 「おほほほ! 碧ったら…そんなに怒っていたら、眉間にしわがよりますわよ」
:07 「もう真木ったら!! からかわないでよ!」
真木 :08 「おっほほほほ!」
浅葱 :09 「弓矢もあらかた回収しましたよ。あと、目ぼしい物は適当に拾い終わりました」
茶々 :10 「茶々の方も…けれど、少し鏃を削らなくては使えない物もあるわ…」
:11 「それにしても…珍しく危なかったね、左京。巴のおかげで助かったじゃない」
左京 :12 「……………ああ」
:13 「………!」
春日 :14 「…あらら」
左京 :15 「…おい」
:16 「…な…っ、何よ、人が泣いてるのがそんなに可笑しい!?
じろじろ見ないで! …もう、見ないでって言ってるのに…!」
左京 :17 「(溜息)…見ろと言ったり、見るなと言ったり…ややこしい女だ」
春日 :18 「―――それが乙女心ってヤツだろ」
八重 :19 「鈍感…」
茶々 :20 「さ、巴。涙を拭いて…」
:21 「みんな! 近衛が集合をかけてるよ!」
(少し離れた場所にて、白銀が、歩き出す卓麻を見つけた)
白銀 :22 「…ちょっと卓麻、どこ行くのさ? 勝手な真似はするなってさ。うるさいよね」
卓麻 :23 「俺は抜ける」
白銀 :24 「ふーん。ま、関係ないか。どうせいつもの事だしね」
(後ろから足音が聞こえてくる)
武少年 :25 「!?(警戒して振り向く)―――あ、なんだ、君はさっきの―――
さっきは、助けてくれてどうもありが―――、!!?(斬られた)」
(里への移動中、八重の足がふと止まる)
八重 :26 「…あれ?」
春日 :27 「…ん? 八重、どうした? …あれえ? こいつ」
:28 「え? あれ…この子、さっきの子ども? 死んじゃったんだ。
せっかく春日が助けてあげたのにね」
白銀 :29 「(やや後ろの方から、鼻で笑って)
そんな腕で戦に出た時点で、命運は尽きてたんだろ」
:30 「白銀…戻ってきてたの?」
白銀 :31 「……何だよその目。言っておくけど、僕じゃあないよ」
八重 :32 「誰もそんなこと言ってない…あ、白銀! …あーあ。行っちゃった」
:33 「アイツは、一度興味を失った獲物を殺す事はしないさ。
不運に巻き添えでも食ったんだろう。さあ! 早く里に戻るよ」
(所変わって、里にて。)
浅葱 :34 「―――春日、何処に行く気ですか? 白銀を探しても無駄ですよ」
春日 :35 「べ、別に、アイツを探すなんて一言も言ってないだろ」
浅葱 :36 「ではどこに行くつもりだったんですか?
今あなたについて来られても、白銀は迷惑なだけだと思いますよ」
春日 :37 「(図星)〜〜〜〜もううっさいな!
どこで何をしてよーと、俺の勝手だろー! ほっといてよ!!」
浅葱 :38 「春日。…行ってしまう前に一つだけ。八重が、呼んでいました」
春日 :39 「………………お前、もしかして、それ伝えに来たわけ?」
浅葱 :40 「そうでした(にっこり)」
春日 :41 「はっきり言って喧嘩売りに来たんだと思ったぞ!! 俺は!」
浅葱 :42 「そうでした?(にーっこり)」
(八重は、おもちゃのような武器を作るのが趣味。春日に武器の試作品を見せる)
八重 :43 「じゃーん!!」
春日 :44 「―――(堪えきれずに)あ、あはは、あっはははは! な、何これ〜!
良くこんなの思いつくな〜、絶対可笑しいってば!」
八重 :45 「そんなに笑う事ないだろ! これでも自信作なんだから!」
:46 「どうした春日? ずいぶん楽しそうだな」
春日 :47 「円、碧、ちょっと見てこれ! 八重の傑作〜!!」
:48 「(顔が引きつる)う、わあ…。
会合の後、一人でなんかこそこそしてると思ったら…これを作ってたの?」
:49 「………えー…これは…どうやって使う物だ?」
八重 :50 「胴にぐるっと回して、その大筒を肩に背負って、火薬をつめて、
右腕の縄で…どっかーん!! すっごい役立つと思わない!?
こないだ拾ってきた大筒と、鉄砲とを組み合わせたみたいな、便利さ!」
春日 :51 「(笑いながら)でも、格好悪いじゃんかー! こんなの絶対着けたくない!」
八重 :52 「別に春日に着けろなんて言ってないよ!」
春日 :53 「この前の火薬を使った手投げ弾の方が、効率的だよ〜。
あとは、その前の、斬りつけられると相手の刀に油がついちゃう鎧とかさ〜」
八重 :54 「うんうん、まあまあだったよね、あれは! 我ながら良い出来だったと思うよ。
でももうちょっと強度が欲しいけどさ。一度しか使えなかったもんな〜」
:55 「…まあったく、調子の良い事。
そんな詰めの甘いことで、今回のは本当に上手く使えるのかしら?」
:56 「相手に届く前に、自分が爆発しちゃったりしないわけ?」
八重 :57 「(けろっと)それはわかんないよ」
:58 「わかんないって?」
八重 :59 「だって、試してないもん!」
春日 :60 「うわっ、あっぶなー!!!(笑う)」
:61 「そんな物使わせようとしてたの!? 駄目だよ!」
茶々 :62 「あら…八重、また新作? 今回のは特に素敵ね…これ。茶々でも使える?」
:63 「はあ!? …茶々、本気で言ってるの!?」
茶々 :64 「え? 駄目かしら…何だか、強そうに見えるし、
普通の大筒と違って、持ち運びも出来るし…」
:65 「ちょっと…良く分からない好みね…」
茶々 :66 「次回の戦では、絶対に茶々に使わせて、八重」
八重 :67 「う、うん」
浅葱 :68 「…ふう。女心とは難しいものですねえ。理解に苦しみます」
春日 :69 「好みの変な茶々と一緒にするなよっ!」
:70 「アタシたちは、こんなの好みじゃないよ!」
八重 :71 「こんなのとは何だよこんなのとはー!」
(夜、卓麻が剣の手入れをしていると、小さな足音が聞こえた)
卓麻 :72 「―――静か。何でこんなところにいる」
:73 「卓麻…。…何だか、いろんな夢を見て…戦の夢とか、みんなの夢とか…
そうしたら、眠れなくなって…。あの、お…お姉ちゃんは?」
卓麻 :74 「は? 知るか。自分で探せよ」
:75 「…だ…って、さっきからずっと…一人で探してたんだけど…
何処にいるか全然分からなくて…だから…だから…(もう半泣き)」
卓麻 :76 「……(溜息)…ったく、しょうがねえな…」
:77 「…! あ、た、卓麻っ」
卓麻 :78 「何だよ」
:79 「あの、ありがとう…!」
卓麻 :80 「―――フン」
(蝋燭の揺らめく会合の間にて)
:81 「…それじゃあ、本番はまだ先ということかい?」
近衛 :82 「何とも言えんがな。書簡が届くまでは、こちらもうかつには動けまい」
:83 「では誰か、斥候にやりますか」
近衛 :84 「いや、その必要はないだろう」
真木 :85 「ということは…」
浅葱 :86 「―――シ! 卓麻と…静ですね」
(近づいてくる気配)
卓麻 :87 「―――オイ。入るぞ」
近衛 :88 「おう」
(引き戸を開け、卓麻と静が入ってくる)
:89 「まあ静ったら、こんな時刻に…。まだ起きていたのね?」
:90 「お姉ちゃん…巴…ごめんなさい、忙しいのに」
:91 「卓麻がここまで連れて来てくれたのか、良かったな静」
:92 「うん! 刀の手入れをしてたんだけど、やめてくれて」
卓麻 :93 「ついでがあったからな」
浅葱 :94 「―――何だかんだ言って、結局、優しいんですよねえ」
:95 「そうなの」
卓麻 :96 「な…ッ、な…何言ってるんだお前ら、
そんな事を真顔で良く恥ずかしくないな…ッ!」
真木 :97 「おっほほほ! 素直じゃないですこと」
:98 「(楽しげに)こら浅葱、真木、あんまり言ってやるんじゃないよ」
近衛 :99 「(楽しげに)そうだぞ。へそを曲げてしまうからな」
卓麻 :100 「うるさいッ!!」
:101 「近衛…みんな、ごめんなさい、大事なお話の途中だったんでしょ?」
近衛 :102 「いや、もう終わった所だ。気にするな」
:103 「…それじゃ私、寝かせてくるわ」
:104 「頼む」
近衛 :105 「真木、お前も下がって良いぞ」
真木 :106 「ではお先に失礼を。巴、静、そこまで一緒に行きましょうか。
今日はどんな夢を見ましたの?」
:107 「ええとね、今日はみんなの夢! 向こうの山の、もっとずっと奥に行くと、
大きな川があって、みんなで魚をたくさん捕まえてね、
それを焼いて食べるの。でも川の水がすごく冷たくて」
真木 :108 「それじゃ、魚を捕まえるのも大変ですわね」
:109 「うん、だからね、糸をたらして、魚釣りをするの! 近衛も、円も、浅葱もいてね!
いっぱいの魚を里に持って帰ったら、みんなが待っててくれて、
それを巴と真木が、美味しいお味噌汁とかにしてくれてね…」
:110 「(笑いながら)楽しい夢ねえ」
(だんだん遠ざかる三人の声。
静をはじめ、数人にはまだ内緒の話をしていたために、静に聞かれなくてほっとする芳たち)
:111 「(小さく笑って、少しトーンを落として)―――すまなかったね、卓麻」
卓麻 :112 「全くだ。内緒話をやるんなら、最初からきちんと出入り禁止を伝えとけよ」
:113 「ああ、今度からそうするよ」
浅葱 :114 「(少し笑いながら)それにしても…私たちに存在を知らせるために、
足音を立てる前に殺気を飛ばすなんて、いかにも卓麻らしいと言うか」
卓麻 :115 「(舌打ち)思いつかなかったんだから仕方ないだろ」
近衛 :116 「ははは! お蔭さまで実に分かりやすかったがな」
:117 「おまけに、一番手っ取り早い」
近衛 :118 「(真剣に)卓麻。…話は聞いたな? どう思う」
卓麻 :119 「…俺の考えは、この際必要ないだろ。動けと言われたら動くしかない。
とりあえず、今のところそれに異存はねえよ。
戦えと言われて、それに逆らう理由が無いからな」
近衛 :120 「そうか、それを聞いてひとまず安心だな。
…そういや、『ついで』だと言っていたな。どうした?」
卓麻 :121 「近衛。今度、いつ『呼ばれる』?」
近衛 :122 「具体的な日取りは分からんが…近いうちには必ずな。何故だ?」
卓麻 :123 「欲しい物があったからだ。日取りが分からないなら良い、自分で手に入れる」
(卓麻出ていく)
近衛 :124 「(気配が消えてから息をつく)―――しかし…すごい殺気だったな。
思わず刀に手が伸びそうになったぞ。隣にいる静には勘付かれない様に、
こちらだけに真っ直ぐ飛ばしてくるのが、アイツのすごい所だな」
浅葱 :125 「(頷く)簡単そうですけど、誰にでも出来る事じゃありませんね」
:126 「それにしても、アイツ、何をそんなにぴりぴりしてるんだ?」
浅葱 :127 「探りますか?」
:128 「あっはっは! それは必要ないさ!
お前が個人的に興味があるなら探ってみろ。ただし…」
近衛 :129 「逆に、返り討ちに合わんようにな」
浅葱 :130 「(肩をすくめて)私も自分の身が大事ですからね…素直に、やめておきますよ。
それじゃ、私もこれで」
:131 「俺も下がります。浅葱、まだ起きている気なら書簡の整理を手伝ってくれ」
(浅葱、円出ていく/所変わって、真夜中、巴が引き戸を開けて寝所に入ってくる)
:132 「―――あら―――静ったら、まだ眠れないの?」
:133 「うん…なんか…今度は、怖くて、どきどきしてて」
:134 「あなたの怖がりは今に始まった事じゃ無いでしょ。
早く寝なさいよ。ここにいてあげるから」
:135 「うん。………巴、あのね」
:136 「何よ」
:137 「……お歌、歌って…」
:138 「何を甘えているの? 良いからさっさと寝なさいって言ってるでしょ」
:139 「だって…巴のお歌、聴きたいんだもん…ちょっとだけで良いから、お願い」
:140 「………もう、仕方ないわね、今夜っきりよ! 一回聞いたらすぐ寝るのよ」
:141 「うん! ありがとう!」
:142 「ホラ、布団かけて! (歌(EDかぶせます))」

【第一話終わり・第二話に続く】