●鬼神楽● ――――――――――――――――――――――――― 【〜鬼灯の章・第五話{2}〜】 フォルダ名【ho-zuki05-2_役名】 ――――――――――――――――――――――――― | ||
キャラ | :番号 | |
(ここで、各務と佐久弥から、『横槍』について説明する) | ||
羽霧 | :01 | 「―――何だと!? しばらく待機ィ!? ふざけるな、冗談じゃないぜ! こんな大事な時に、のんきに待ってなんか居られるか! だいたい、何で俺がそんな貧乏くじを 引かされなきゃならないんだ!!」 |
佐久弥 | :02 | 「落ち着いて、羽霧。ずっと待機してもらうわけじゃない、 時が来ればもちろん動いてもらうよ。その前に、睦月にこれを頼みたいんだけど」 |
睦月 | :03 | 「(渡された図面を見て)これは…この前アタシが作った…! あ、でも、こんな短時間では、いくらなんでも…無茶です!」 |
佐久弥 | :04 | 「良いんだよ、いくつもはいらない。もう二つ三つあれば良いんだ。頼める?」 |
各務 | :05 | 「我も手伝おう」 |
伊織 | :06 | 「比奈伎。あの武器、使うよ。絶対有効利用出来るよ」 |
寿々加 | :07 | 「おーっと、『反対だ』は反対な」 |
比奈伎 | :08 | 「使わなくても作戦に影響はないはずだぞ」 |
千波流 | :09 | 「だが、使えば確実に成果を上げられるぞ」 |
伊織 | :10 | 「良いから、これ見てよ! ていうかちゃんと見て!!」 |
比奈伎 | :11 | 「引っ張るなよ伊織!」 |
伊織 | :12 | 「今回は、絶対反対なんかさせないんだからね、 そのためにずっとずっと準備してたんだから! 各務にだって見てもらって、最初の時よりずっと安全だし!」 |
比奈伎 | :13 | 「…各務…お前まで関わってたのか」 |
各務 | :14 | 「(すまなそうに)行きがかり上な」 |
伊織 | :15 | 「今回の戦には、あった方が良いよ! 佐久弥だってそう言ってるし」 |
佐久弥 | :16 | 「でも、使うのは年少組じゃないよ、伊織」 |
伊織 | :17 | 「え? 佐久弥、それどういう意味?」 |
佐久弥 | :18 | 「それはあとでね」 |
各務 | :19 | 「さて。先発隊は、先に準備に取り掛かりや。時間はないのだよ」 |
佐久弥 | :20 | 「切り込み役の珠菜と亜夏刃はもちろん、 先発隊には、そのまま主の屋敷へ入ってもらうことになる。 充分準備をして。特に、防護をしっかりした方が良いと思う」 |
千波流 寿々加 |
:21_役名 | ※「おう」 ※「わかったよ。…普段大人しいやつが、一番人使い荒いってのは…」 |
千波流 | :22 | 「(笑って)ぼやくなぼやくな。 どうせお前じゃ、佐久弥以上の良い案は考えられんだろ」 |
(先発隊、意気揚々・渋々と、それぞれ仕度に取り掛かるため出て行きます) | ||
各務 | :23 | 「―――さて。先にも説明したとおり、亜夏刃、珠菜は切り込み役。 それに千波流、寿々加を合わせてひと組。 佐久弥、比奈伎でひと組。我もこれに加わる。 さらに、夜紫乃、伊織、瀬比呂、彩登でもう一組」 |
佐久弥 | :24 | 「私たちは、実質上は「三組」に分かれて行動する。 ひと組は正面から主の屋敷へ。 ひと組は、それを援護し、先に屋敷への侵入を済ませた者の後ろを守る。 もうひと組は、その間に裏から、主の屋敷へ。 …そして、隠されたもうひと組が、主の死角から横槍を入れる」 |
睦月 | :25 | 「横槍…ですか?」 |
佐久弥 | :26 | 「そうだよ」 |
各務 | :27 | 「散々調べまわって、ようやっとわかったのが、たったこれ一つだけ、 と言うのは口惜しいが…それでも、これはただ一つの光明だ」 |
佐久弥 | :28 | 「それを任せられるのは、睦月の武器作りの腕と、 そしてそれを扱うことの出来る羽霧だけだ」 |
睦月 | :29 | 「…わかりました! 出来うる限り尽力します」 |
各務 | :30 | 「羽霧も、良いね?」 |
羽霧 | :31 | 「(ニヤッと笑って)ったく、そこまで言われちゃしょうがねえな。 わかったよ、やってやろうじゃん。俺たちに任せとけって。 じゃ、俺らもすぐに準備に入るぜ」 |
(羽霧・睦月、準備のために出て行きます) | ||
佐久弥 | :32 | 「…もう分かってると思うけど、屋敷の正面から行く私たちよりも、 山腹から向かう夜紫乃の組の方が、人数的にも一人ひとりの負担は大きいと思う。 だから、瀬比呂、彩登。夜紫乃と伊織をしっかり助けるんだよ」 |
瀬比呂 彩登 |
:33_役名 | ※「はい!」 |
各務 | :34 | 「とは言うたが、年少組はなるべく支援で済むように―――伊織、夜紫乃、頼むえ」 |
伊織 | :35 | 「わかってる」 |
夜紫乃 | :36 | 「任せといてよ」 |
瀬比呂 | :37 | 「大丈夫だよ、僕たち、頑張るから!」 |
彩登 | :38 | 「うん。彩登もいっぱいいっぱい頑張るよ!」 |
伊織 | :39 | 「(頷いて)アタシと、夜紫乃と、瀬比呂と、彩登は、 みんなが敵を引きつけてくれてるうちに、山腹を抜けて屋敷に侵入。 朱音さまを探すよ。しっかりやろうね」 |
瀬比呂 彩登 |
:40_役名 | ※「うん」 |
夜紫乃 | :41 | 「うん。絶対に、お頭を探し出そう」 |
(夜紫乃・伊織・瀬比呂・彩登、準備のために出て行きます) | ||
(ここから追加シーン フォルダ名【05-2-02_役名】 ) | ||
(準備のため部屋を出て、廊下を歩く千波流と寿々加) | ||
千波流 | :41-01 | 「………いつだったか…」 |
寿々加 | :41-02 | 「うん?」 |
千波流 | :41-03 | 「…だいぶ前になるが…。お頭が、戦の会合のあと 俺たち年長の連中だけを残した事があっただろう」 |
寿々加 | :41-04 | 「ああ、あれか…。次期頭領の件で話があったときだろ?」 |
千波流 | :41-05 | 「ああ」 |
(回想シーンへ) | ||
各務 | :41-06 | 「―――比奈伎を次期頭領に?」 |
千波流 | :41-07 | 「良いんじゃないか? 現に今、副頭領なのだから、おかしくは無い。 俺は、異存ありません」 |
朱音 | :41-08 | 「そうか」 |
寿々加 | :41-09 | 「うー、ん…」 |
千波流 | :41-10 | 「何だ寿々加、お前は随分煮え切らないようだが」 |
寿々加 | :41-11 | 「んー…、(朱音に向き合い)比奈伎を次代の頭領とし、 それをみんなで支えていくと言うのには 俺も異存は無い」 |
朱音 | :41-12 | 「(頷く)そうか」 |
寿々加 | :41-13 | 「異存は無いけどなあ…」 |
朱音 | :41-14 | 「無いが、何だ? 寿々加」 |
各務 | :41-15 | 「あれの技量には問題はないえ。 確かに、比奈伎なら頭領を勤め上げる事が出来るであろ」 |
寿々加 | :41-16 | 「んー、…何ていうか、そういう事じゃなくてだな」 |
亜夏刃 | :41-17 | 「…副頭領という今の立場でさえ、己を押さえ込み、 心を隠している状態で、…保つか、と言う事だろう?」 |
寿々加 | :41-18 | 「…ま、そういう事だ」 |
朱音 | :41-19 | 「はは、ずいぶん信頼が無いんだな、比奈伎は」 |
寿々加 | :41-20 | 「そういう事じゃねえよ。…分かってんだろ」 |
朱音 | :41-21 | 「…(苦笑)…あれも、変な所で頑固だからな。 何が何でも、自分は副頭領として立っていなくてはならない、と、 意固地になってる部分もあるんだろう」 |
寿々加 | :41-22 | 「(溜息)もう少し肩の力を抜きゃあ、楽になるのになあ」 |
亜夏刃 | :41-23 | 「全く、その通りだな。…といっても、抜きすぎるのも困るが」 |
寿々加 | :41-24 | 「…亜夏刃。なんでそこで俺を見るんだよ」 |
亜夏刃 | :41-25 | 「いや別に」 |
千波流 | :41-26 | 「それに、次代の頭領候補ともなれば、主にもお許しを いただかなければならないでしょうし…主はご存知なのですか?」 |
朱音 | :41-27 | 「いや、それは…折を見て、いずれな」 |
各務 | :41-28 | 「どのみち、比奈伎本人が承諾しない限り、難しいだろうねえ」 |
朱音 | :41-29 | 「はは、そうだよな。まあ、頑張って口説き落としてみるさ」 |
千波流 | :41-30 | 「しかし…何故急にそんな話を…。 貴方が俺たちの頭領で居続ける事に、誰も不満などはないが」 |
朱音 | :41-31 | 「ははは、嬉しい言葉だな千波流」 |
千波流 | :41-32 | 「決して世辞では無い。……お頭。何か理由(わけ)でも?」 |
朱音 | :41-33 | 「(微笑んで)…いや、そんな大したことじゃあないさ。 ただそれでも、私は女子(おなご)だからな。いずれ能力的にも限界が来る」 |
各務 | :41-34 | 「これは…お頭にしては随分と弱気な言葉だね」 |
朱音 | :41-35 | 「そうか? 各務、お前はどう思う」 |
各務 | :41-36 | 「そうだねえ…。我は良いと思うえ。 比奈伎は、多少の無理はあるかも知れないが… 上手く補佐があれば良い頭領としてたつであろ」 |
朱音 | :41-37 | 「うん、そうだよな」 |
亜夏刃 | :41-38 | 「しかし…もうすでに、そんな先のことを考えているというのか? お頭は」 |
朱音 | :41-39 | 「ふふっ…ああ。予め、頼りになる次期頭領の存在と、それを補佐してくれる 心強い仲間がいると分かっていれば、私はいつでも安心して隠居出来るだろう?」 |
千波流 | :41-40 | 「はははは、隠居、ですか。どうにも想像出来ないが」 |
各務 | :41-41 | 「ふふ、そうえ。それに、周りが大人しく隠居などさせまいよ」 |
寿々加 | :41-42 | 「(明るく)ま、そうだよな。例え引っ込んだ所で引きずり出されるのがオチだ」 |
千波流 | :41-43 | 「それは言えるな(笑う)」 |
朱音 | :41-44 | 「(笑いながら)なんだ、みんな随分厳しいな」 |
(だんだん会話がFOして、回想シーンが終わる) | ||
千波流 | :41-45 | 「何故、お頭はあんな時期にそんな話を…と思っていたが――― 漸く合点がいった」 |
寿々加 | :41-46 | 「…ああ。お頭は―――あの時 既に、覚悟を決めていたんだな―――」 |
千波流 | :41-47 | 「クソ…ッ、何故気づけなかったんだ…!」 |
寿々加 | :41-48 | 「千波流―――」 |
羽霧 | :41-49 | 「(遠くから)―――あ、居た! 千波流、ちょっと手伝ってくれ」 |
千波流 | :41-50 | 「……っ。…ああ、分かった! …じゃあ、後でな、寿々加」 |
寿々加 | :41-51 | 「…おう。(見送る)………」 |
(ここまで追加シーン) | ||
(夜紫乃・伊織・瀬比呂・彩登、準備のために出て行きます/その背を廊下で見送って) | ||
各務 | :42 | 「…みんな、頼むえ」 |
朱音 | :43 | 「(E・小さく)―――頼む」 |
各務 | :44 | 「(小さくはっとする)―――(考え込む)」 |
(そのころ、室内では) | ||
比奈伎 | :45 | 「(息をつく)決まったな」 |
佐久弥 | :46 | 「うん。決まったね。…実際には攻める側よりも、 私たちしんがりの方が厳しい立場になると思う。 相手が、『まさか攻めてくるわけが無い』と思い込んでいる所に攻め込むから、 屋敷の周りを固めている護衛の武士たちが 我に返った後、それを抑える力が必要だからね」 |
比奈伎 | :47 | 「ああ」 |
佐久弥 | :48 | 「それにしても…(苦笑)」 |
比奈伎 | :49 | 「…なんだ」 |
佐久弥 | :50 | 「上手くいったから良いものの、…意外と無茶するんだよね」 |
比奈伎 | :51 | 「うるさいぞ」 |
佐久弥 | :52 | 「(くすくす)まさか、あんな風に千波流を怒らせて、 先発隊をやらせる事が出来るなんて…思わなかったな」 |
比奈伎 | :53 | 「仕方ないだろう。 正直に『しんがりが今回の反乱の要なので、俺がなる』と言った所で、 『しんがりは自分の役目だ!』と怒鳴るのが目に見えてる」 |
佐久弥 | :54 | 「ちょっと強引だったけどね」 |
比奈伎 | :55 | 「強引でも卑怯でも何でも良い。 今回だけは、しんがりを譲る事は出来ないからな」 |
佐久弥 | :56 | 「(頷く)陽動はむしろ、先発隊ではなく後方部隊の方だからね。 まず先発隊が敵の目を引き―――そのあと私たちが動けば、 間違いなく私たちを要と見るだろう。 打算的だと思うけど、副頭領の比奈伎がいてくれた方が、敵の目を引きやすい」 |
比奈伎 | :57 | 「(頷いて)それを隠れ蓑に、横槍が上手く入れば良いんだが」 |
佐久弥 | :58 | 「うん―――こんな事は言えないけど、先発隊では、 決して主の下には辿り着けないだろうから」 |
比奈伎 | :59 | 「(頷いて)それに―――だ。 珠菜も言っていた『かなりの実力者たち』が潜んでいる可能性も捨て切れない。 そいつらが、俺たちに食い付いてくれれば良いんだがな」 |
佐久弥 | :60 | 「その正体も気になるしね―――」 |
比奈伎 | :61 | 「万一の時は、俺たちが楯になって全員を逃がすつもりでいないとな」 |
朱音 | :62 | 「(E)佐久弥。比奈伎を頼む―――」 |
佐久弥 | :63 | 「……比奈。ごめん」 |
比奈伎 | :64 | 「…? 何のことだ」 |
佐久弥 | :65 | 「大丈夫だと言ったのに、嘘になってしまった」 |
比奈伎 | :66 | 「…佐久弥。俺は、まだ駄目だとは思っていない。 これから大丈夫にすれば良いだけの話だろう」 |
佐久弥 | :67 | 「…そうか。そうだね」 |
比奈伎 | :68 | 「とにかく今はまだ、主の意思によって… いや、万一、本当に主が死んだとしてもだ、 それはお頭だけじゃなく、俺たち鬼火一族そのものの存在も 危なくなると言う話だけは、伏せておこう」 |
佐久弥 | :69 | 「うん、それは私もそう思う。これ以上、いたずらに動揺させる必要はない」 |
(みんなが出て行ったのを見送って、各務が戻ってくる) | ||
各務 | :70 | 「(何やら考え込んでいる様子)………」 |
佐久弥 | :71 | 「―――どうかした、各務。難しい顔をして」 |
各務 | :72 | 「いや―――少し、思い出してな。お頭の言葉を―――」 |
(回想シーン・総てエコー) | ||
朱音 | :73 | 「睦月は偉いな。こんなにしっかりと武器の手入れもして、最近では作成までする。 私は、良い仲間に恵まれているな」 |
各務 | :74 | 「―――お頭」 |
朱音 | :75 | 「(苦笑)……気が引けるか」 |
各務 | :76 | 「(小さく笑って)それはそうであろ。 これらの武器を調整するのに、あの子は寝る間も惜しんで頑張っておるのだよ? 今夜も、お頭のお刀を研ぐのだと言って、それこそ寝食も忘れてな。 だと言うのに、それを使って、…掟から抜け… いや、みなの信じている『主』に反するとは―――」 |
朱音 | :77 | 「それは言ってくれるな。睦月には本当にすまないが…これも皆のためだ。 今の私では、それしか選択肢がないんだ」 |
各務 | :78 | 「(軽く溜息)それも分かっておるよ。…お頭の、苦渋の選択もな」 |
朱音 | :79 | 「(苦笑)すまん。私は…おまえたちに甘えてばかりだな」 |
各務 | :80 | 「(ゆるく首を振って)何を申すやら。それは、こちらの言葉―――」 |
朱音 | :81 | 「私が戻らない時は―――頼む」 |
各務 | :82 | 「不吉な事を」 |
朱音 | :83 | 「私だって、こんな事は口にしたくないが…だが、予感がするんだ」 |
各務 | :84 | 「予感とは?」 |
朱音 | :85 | 「―――比奈伎の言葉じゃないが、私たちに戦わせておいて、 姿を全く現さないというのは本当に失礼な話だ。 その上、主が死ねば、私も共に自害だぞ? 私は―――顔も見た事の無いような、そんな人間と共に死ななければならない。 …しかし、それは掟だと言われれば仕方の無い事なんだろう。だが――― ―――おかしいと思わないか? ただの一度も、おかしいと感じたことはないか? いつの戦でも、来ている鎧、掲げる旗は確かに違う。 …だが、同じ―――同じ匂い、同じ気配を感じるのはどういう事なんだ―――? 主の敵とは―――私たちの戦っている相手とは―――いったい、誰なんだ? いや―――。我が『主』とは―――斉彬とは、いったい何者なんだ?」 |
朱音 | :86 | 「各務―――私が戻らない時は、頼む…」 |
(ここまでエコー/回想シーン終了) | ||
各務 | :87 | 「(T)そのときの、お頭の顔が―――夢と重なったのだよ」 |
佐久弥 | :88 | 「―――夢?」 |
各務 | :89 | 「ああ、以前に話した――― まだ少女の面影を残したお頭が、我を迎え入れてくれる夢だ」 |
比奈伎 | :90 | 「…その夢、誰かに聞いた覚えがある」 |
佐久弥 | :91 | 「ほかにも、見た人が居るの?」 |
各務 | :92 | 「そうらしい。偶然だが千波流ともその話になってな。 どうやら…あれも、見た覚えがあるらしい」 |
佐久弥 | :93 | 「その夢―――気になるね」 |
各務 | :94 | 「たかが夢では無いと言うのかえ?」 |
佐久弥 | :95 | 「わからないけど…」 |
各務 | :96 | 「そう言えば―――伊織も、羽霧も珠菜も見たと言っていた。 …此度の事と…関係があると?」 |
佐久弥 | :97 | 「それはまだ分からない」 |
比奈伎 | :98 | 「なんにしても―――お頭は、俺たちにすら気づかせないほどに 密やかに、だが長いあいだ『主』を疑っていた事は確かなんだな」 |
各務 | :99 | 「そうだ。お頭は、総てを語ったわけではないがな」 |
佐久弥 | :100 | 「…各務は怖くはない? 真実を知ってしまうことが」 |
各務 | :101 | 「…恐ろしくないと言えば、嘘であろうな。…けれど。 けれど、気に入らぬ。何者の仕組んだ事であろうと、このまま 思い通りに事を運ばせるのは、癪に障ると言うもの…そうであろ?」 |
比奈伎 | :102 | 「聞くなよ」 |
佐久弥 | :103 | 「ふふ、私も同じことを思ってたよ」 |
(ここから追加シーン フォルダ名【05-2-03_役名】) | ||
(場面転換) | ||
亜夏刃 | :103-01 | 「―――佐久弥」 |
佐久弥 | :103-02 | 「亜夏刃。どうかした?」 |
亜夏刃 | :103-03 | 「アレはどうだ?」 |
佐久弥 | :103-04 | 「…アレ? 睦月に作ってもらっている武器の事?」 |
亜夏刃 | :103-05 | 「いや、それでは無い方の【アレ】だ」 |
佐久弥 | :103-06 | 「ああ、……アレって(苦笑)。…うん、まあ…大丈夫―――…ではないと思うけど」 |
亜夏刃 | :103-07 | 「そうか。…だろうな」 |
佐久弥 | :103-08 | 「うん―――本人は、大丈夫だと思ってるみたいだけどね」 |
寿々加 | :103-09 | 「―――マジでそう思い込んでる辺り、アブネーというか何と言うか」 |
亜夏刃 | :103-10 | 「寿々加」 |
寿々加 | :103-11 | 「あの自覚の無さは何とかならねえもんかな」 |
佐久弥 | :103-12 | 「言葉で自覚を促したからといって、自覚出来るものでも無いから…」 |
寿々加 | :103-13 | 「そーだけどよ。(ぼそ)…どこが大丈夫なんだか」 |
佐久弥 | :103-14 | 「それで、比奈伎は?」 |
寿々加 | :103-15 | 「支度を終わらせて、みんなの所にいるぜ。 (溜息)…ったく…ひでえ顔してやがって―――バレバレなんだよなァ」 |
亜夏刃 | :103-16 | 「年中組以下には隠せていると思うが」 |
寿々加 | :103-17 | 「どうだか」 |
佐久弥 | :103-18 | 「それは―――大丈夫だと思うよ」 |
寿々加 | :103-19 | 「…」 |
亜夏刃 | :103-20 | 「ああ。何にしても…今はそうするしかないだろう」 |
寿々加 | :103-21 | 「まあ、そーなんだけどな」 |
佐久弥 | :103-22 | 「…さあ、寿々加、亜夏刃。私たちもそろそろ仕度に入ろう」 |
亜夏刃 | :103-23 | 「(頷いて)そうだな」 |
寿々加 | :103-24 | 「アイツなぁ…」 |
佐久弥 | :103-25 | 「え?」 |
千波流 | :103-26 | 「(現れて)―――何だ、お前たちこんなところに居たのか。どうした?」 |
寿々加 | :103-27 | 「ああ、いや、ええと…」 |
千波流 | :103-28 | 「? なんだ寿々加」 |
佐久弥 | :103-29 | 「……」 |
亜夏刃 | :103-30 | 「千波流、そちらの様子はどうだ? みなの準備は進んでいるのか」 |
千波流 | :103-31 | 「ああ、そうだった。武器をいくつか見て欲しくてな。 亜夏刃、お前を探しに来たところだ」 |
亜夏刃 | :103-32 | 「了解した。では、行こう」 |
(去っていく千波流と亜夏刃。見送って) | ||
寿々加 | :103-33 | 「―――さーてと、俺も最終確認してくるかな(独り言)」 |
佐久弥 | :103-34 | 「―――寿々加」 |
寿々加 | :103-35 | 「うん?」 |
佐久弥 | :103-36 | 「―――アイツが、何」 |
寿々加 | :103-37 | 「…。何でもねえよ」 |
佐久弥 | :103-38 | 「寿々加」 |
寿々加 | :103-39 | 「………。(頭をかいて)―――アイツなぁ…震えてたんだよなァ…ずっと」 |
佐久弥 | :103-40 | 「………」 |
寿々加 | :103-41 | 「見てるこっちが、怖い―――」 |
佐久弥 | :103-42 | 「…うん」 |
(再び回想シーン。夜) | ||
朱音 | :103-43 | 「お前は、比奈伎を次期頭領とするのは不服か? ―――佐久弥」 |
佐久弥 | :103-44 | 「………私は、特には。貴方が決めた事だから」 |
朱音 | :103-45 | 「(優しく微笑んで)そうか」 |
(静かに時が過ぎる) | ||
朱音 | :103-46 | 「私は…、…いや、これは私の我侭なんだ」 |
佐久弥 | :103-47 | 「……」 |
朱音 | :103-48 | 「こんな事は決して誰にも言えないが―――自らの全てを、 私の物だと言う―――私のためだけに、その命があるのだと言うあれは… 心強く思う反面、ひどく―――不安なのさ」 |
佐久弥 | :103-49 | 「…怖いの?」 |
朱音 | :103-50 | 「私は、…そう、怖いんだ。 比奈は、私が…逝ったあと、私を―――追うのじゃないか、とな」 |
佐久弥 | :103-51 | 「………朱音」 |
朱音 | :103-52 | 「こんな事は想像もしたくないが、それでも…きっと、あいつはそうする。 分かりたくも無いのに、分かってしまう。 (小さく微笑んで)それはそれで…その想いは確かに嬉しいさ。 あれほど、想ってくれる事には、本当に…嬉しいと思っている」 |
佐久弥 | :103-53 | 「…そうだね」 |
朱音 | :103-54 | 「けれど、私の望みはそんなものじゃない」 |
佐久弥 | :103-55 | 「うん」 |
朱音 | :103-56 | 「共に逝くことではなく―――あれには、生きて欲しいんだ」 |
佐久弥 | :103-57 | 「…うん、そうだね」 |
朱音 | :103-58 | 「私は、私の唯一の財産でもある『一族』という存在で、 比奈伎をこの現し世に繋ぎ止めたいのさ。 私の頼みと…一族のみながいれば…きっと。 私に何かあっても、追わずにいてくれるよう… 頭領という足枷をつけたいんだ―――身勝手だとは思うがな」 |
佐久弥 | :103-59 | 「…それでも、それが貴方の望みなら」 |
朱音 | :103-60 | 「ああ。…佐久弥」 |
佐久弥 | :103-61 | 「何?」 |
朱音 | :103-62 | 「今まで私を助けてくれたように、比奈伎を補佐してやってくれるか」 |
佐久弥 | :103-63 | 「―――そうだね」 |
朱音 | :103-64 | 「(眼を伏せて、微笑む)そうか」 |
(静かに月が辺りを照らしている) | ||
朱音 | :103-65 | 「…望む事は多くは無いはずなのに。 …それを守り続けるのは、とても…大変な事だな」 |
佐久弥 | :103-66 | 「うん。…それでも」 |
朱音 | :103-67 | 「ああ。―――それでも。私は―――私は」 |
(回想シーン終わり) | ||
佐久弥 | :103-68 | 「…それでも」 |
寿々加 | :103-69 | 「え?」 |
佐久弥 | :103-70 | 「(微笑んで)ううん。…そんな事には、させないから」 |
寿々加 | :103-71 | 「…佐久弥」 |
佐久弥 | :103-72 | 「何?」 |
寿々加 | :103-73 | 「俺は、…お前も心配だぞ?」 |
佐久弥 | :103-74 | 「…私? 私は―――大丈夫だよ」 |
(エコー) | ||
朱音 | :103-75 | 「私だとて、最初から何もかも諦めているわけじゃない。 私は、そして、私の一族は生き延びる。生きてみせる。 今は、そのためだけに―――全てを懸ける」 |
(エコー終わり) | ||
佐久弥 | :103-76 | 「―――私もだよ」 |
(時は戻って) | ||
各務 | :103-77 | 「…さて。そろそろみなも仕度を終えたであろ―――」 |
(ここまで追加シーン) | ||
千波流 | :104 | 「(少し遠くから)先発隊、用意出来たぞ! すでに高見も終えた! 山腹に50程度、残りは屋敷だ!」 |
佐久弥 | :105 | 「(立ち上がる)―――さあ、行こうか」 |
(戦場へ移動) | ||
武士2 | :106 | 「たいまつを絶やすな!」 |
武士3 | :107 | 「鉄砲隊準備!」 |
武士4 | :108 | 「指示を待て!!」 |
ガヤ | :109_お名前 | (多くの武士が指示を待っていてざわざわしています) 「まだか!」「こちらにも松明を!」「もたもたするな、隊列を組め!」など |
(林に隠れた状態で、武士たちの様子を探っている) | ||
寿々加 | :110 | 「こりゃあ…」 |
夜紫乃 | :111 | 「思ったより、すごいね」 |
千波流 | :112 | 「残りを総動員してるという感じだな。―――行けるか?」 |
伊織 | :113 | 「大丈夫。瀬比呂の高見を信じてるし。 山腹の方は、楽勝だよ。すぐに屋敷に入ってみせる」 |
瀬比呂 | :114 | 「うん! 千波流たちも、気をつけてね」 |
彩登 | :115 | 「正面の方が、ずっと多いんだから!」 |
千波流 | :116 | 「大丈夫だ」 |
寿々加 | :117 | 「任せとけ」 |
夜紫乃 | :118 | 「じゃあ、こっちの武運を祈っててよ」 |
寿々加 | :119 | 「(力強く笑って頷く)お前もな」 |
伊織 | :120 | 「行こう!」 |
(伊織、夜紫乃、瀬比呂、彩登のチーム、別行動開始) | ||
寿々加 | :121 | 「じゃ、俺たちも」 |
千波流 | :122 | 「行くか!」 |
(武器を構える) | ||
珠菜 | :123 | 「(大きく息をつく)……」 |
亜夏刃 | :124 | 「どうした? やはり、いつもの相棒で無ければ不安か?」 |
珠菜 | :125 | 「あら、そうお思いでしたら、きちんと援護を頼みますわね」 |
亜夏刃 | :126 | 「(頷く)全力で」 |
珠菜 | :127 | 「では―――参りましょう」 |
(武器を構えた亜夏刃と珠菜が突然現れ、驚く武士たち) | ||
ガヤ | :128_お名前 | 「なんだ!?」「どうした!」など驚きを一言 |
武士1 | :129 | 「―――な、何奴!?」 |
武士2 | :130 | 「いったいどこから…!!」 |
珠菜 | :131 | 「さあ皆さま、ご遠慮なさらず…。来ないのであればこちらから参りますわよ!」 |
武士3 | :132 | 「なんだと!? おなごのクセに生意気な!!」 |
武士4 | :133 | 「鬼の面だと…面妖な! 妖かしの類ではないのか!? 一刀両断にしてくれる!!」 |
珠菜 | :134 | 「あらあら…それはこちらの言うべき事ですわ!(武器を一閃)」 |
武士1 | :135 | 「ぎゃああ!! う、腕があ!」 |
ガヤ | :136_お名前 | 「うわああ!!」「き、斬れ斬れー!!」「鉄砲隊、構えー!!」 「なんだ!?」「どうした!」悲鳴・驚愕などを一言 |
大将 | :137 | 「何をもたついておるのだ! たかだか二人ではないか!! 蹴散らせ!!」 |
珠菜 | :138 | 「仰りますわね…けれど、こちらは量より質で勝負ですわ」 |
大将 | :139 | 「撃てー!!!!」 |
(鉄砲連射、かろうじて避ける亜夏刃、珠菜) | ||
亜夏刃 | :140 | 「珠菜!」 |
珠菜 | :141 | 「(息を整え)大丈夫ですわ」 |
亜夏刃 | :142 | 「…寿々加の拾ってきた鉄砲、導入しなくて正解だったな」 |
珠菜 | :143 | 「本当ですわね。あんなものでは―――本来の強さを見誤りますわよ」 |
(互いに背中を合わせ) | ||
亜夏刃 | :144 | 「珠菜、飛ばしすぎるなよ」 |
珠菜 | :145 | 「亜夏刃、あなたこそ」 |
武士2 | :146 | 「騎馬隊前へ―――!!!」 |
(馬のいななき、何頭も暴れだし、騒然) | ||
ガヤ | :147_お名前 | 「何!?」「どうした!?」「な、何事だ!?」など驚きを一言 |
武士3 | :148 | 「く、曲者―――!!」 |
武士4 | :149 | 「こっちも曲者だー!! う、馬がやられた!!」 |
大将 | :150 | 「なんだと!?」 |
亜夏刃 | :151 | 「千波流と寿々加だな」 |
珠菜 | :152 | 「足をつぶすとは、うまいですわね」 |
亜夏刃 | :153 | 「では俺たちも、もうひと暴れするか」 |
珠菜 | :154 | 「ですわね。鉄砲隊をつぶしましょう」 |
(こちら、やや先発隊に遅れて) | ||
各務 | :155 | 「派手にやっておるようだね。良い動きだ」 |
比奈伎 | :156 | 「…しんがりを務めるのは久方ぶりだ」 |
佐久弥 | :157 | 「私は、戦に参戦自体が久しぶりだよ」 |
各務 | :158 | 「腕は鈍っていないかえ?」 |
比奈伎 佐久弥 |
:159_役名 | ※「もちろん」 |
武士1 | :160 | 「おぬしらはいったい…!?」 |
武士2 | :161 | 「いったい、何者なのだ…!?」 |
亜夏刃 | :162 | 「我らは―――」 |
朱音 | :163 | 「(E)―――我らは―――」 |
珠菜 | :164 | 「我らは」 |
朱音 | :165 | 「(E)我らは鬼火一族!」 |
寿々加 | :166 | 「我らは鬼火一族!!」 |
ガヤ | :167_お名前 | ※「お、鬼火一族だと…!?」など、驚愕を一言 |
朱音 | :168 | 「(E)ただ今より参戦いたす!」 |
比奈伎 | :169 | 「これより参戦する!!」 |
朱音 | :170 | 「(E)武器を退かれよ!」 |
千波流 | :171 | 「すみやかに武器を退かれよ!!」 |
(一族の面々、ゆっくりと、歩み出る) | ||
佐久弥 | :172 | 「―――鬼火の頭(かしら)を、迎えに来た」 |
各務 | :173 | 「さて…返してもらおう」 |
朱音 | :174 | 「(E)いざ―――」 |
千波流 各務 寿々加 珠菜 亜夏刃 比奈伎 佐久弥 |
:175_役名 | ※「いざ、参る!!」 |