●鬼神楽● ――――――――――――――――――――――――― 【〜鬼灯の章・第四話{2}〜】 フォルダ名【ho-zuki04-2_役名】 ――――――――――――――――――――――――― | ||
キャラ | :番号 | |
(所変わって、会合の間では―――) | ||
千波流 | :01 | 「―――とにかく、謁見に向かったお頭の帰りを待つしかない。戻り次第、出陣を… (入ってきた比奈伎に気づく)? …比奈伎、どうした? お頭は戻ったのか?」 |
比奈伎 | :02 | 「―――お頭は帰らない」 |
千波流 | :03 | 「なに?」 |
比奈伎 | :04 | 「お頭は帰ってこない。もうお頭に甘えるな。 お頭はもういない。死んだも同然なんだ」 |
(動揺した睦月の湯のみが落ちて割れる) | ||
睦月 | :05 | 「あ…っ、す、すいませ…!」 |
彩登 | :06 | 「―――何言ってるの比奈伎!?」 |
伊織 | :07 | 「…朱音さまが…!?」 |
瀬比呂 | :08 | 「あ、朱音さまが死んだって…どういうこと!?」 |
比奈伎 | :09 | 「主の寿命だ。先日、主は崩御されたそうだ」 |
夜紫乃 | :10 | 「こんな、情勢が危うい時に!?」 |
千波流 | :11 | 「―――どうして隠していた」 |
比奈伎 | :12 | 「…隠していたわけじゃない。―――言わなかっただけだ」 |
千波流 | :13 | 「同じ事だろうが!!」 |
(あまりの事に混乱して、比奈伎に食って掛かる千波流。大騒ぎだ) | ||
伊織 | :14 | 「やめて…やめてよ千波流!!」 |
寿々加 | :15 | 「(走ってきて、部屋に飛び込む)―――おい!」 |
夜紫乃 | :16 | 「寿々加! 何だか大変なんだよ!」 |
千波流 | :17 | 「―――クソ…ッ!!(壁を拳で叩く)どうして…どうしてこんな時に斉彬様が…」 |
寿々加 | :18 | 「…それは…っ」 |
羽霧 | :19 | 「…ずっと前から、具合は悪かったらしいぜ」 |
夜紫乃 | :20 | 「ちょ、ちょっと待ってよ…主の具合が悪くて、亡くなったのは分かった… でもそれとお頭と何の関係があるわけ? お頭はどうして…死んだなんて!」 |
佐久弥 | :21 | 「…(各務を見て、頷く)」 |
各務 | :22 | 「(頷きを返す)―――我らが一族は、我らが主の物ではあるが、 主だけの物ではない―――つまり、今の殿が崩御されても、 我らは次代の殿にお仕えする―――ここまでは良いかえ?」 |
瀬比呂 | :23 | 「うん…」 |
各務 | :24 | 「しかし、一族の頭領においては、そうではないのだよ。 一族の頭領は、一族を率いる身でありながらも、その命は主のためだけの物――― すなわち、主と共に生き―――主と共に滅びる物」 |
千波流 | :25 | 「でもだからって、なんでお頭が! 頭領の交代はあっても、一緒に死ななきゃならないなんて… そんな話は聞いてない!!」 |
寿々加 | :26 | 「とにかく落ち着け千波流。順を追って話をするから!」 |
千波流 | :27 | 「これが落ち着いていられるか!! 一族の命運もかかってるんだぞ!!」 |
寿々加 | :28 | 「だから…!」 |
千波流 | :29 | 「どうして お頭まで死ななきゃいけない! 俺は、納得出来ない!!」 |
比奈伎 | :30 | 「…仕方がない。そういう掟だ。 知っているのは俺と寿々加と佐久弥、各務と…お頭だけだ」 |
亜夏刃 | :31 | 「…自分たちには 知らされていない掟も、存在していたのか」 |
睦月 | :32 | 「じゃあ…斉彬様崩御の際には、朱音さまも一緒に… 死ななきゃならなかったって事…? それが、掟で決まっているって言うんですか?」 |
彩登 | :33 | 「え…じゃ、じゃあ…朱音さまは自分で死んじゃったの!?」 |
千波流 | :34 | 「何故、俺には知らされない!!」 |
比奈伎 | :35 | 「…その掟の話を聞かされたとき、 お前がそういう態度に出るという事が 予想出来ていたからだろ」 |
千波流 | :36 | 「…!! じゃあ、お前は冷静にそれを聞いて、しかも受け入れたって言うのか!」 |
比奈伎 | :37 | 「…そうだ」 |
寿々加 | :38 | 「比奈伎! 千波流、それは違う! 比奈伎は―――」 |
比奈伎 | :39 | 「よせ、寿々加。…違わない」 |
千波流 | :40 | 「なんで…ッ」 |
比奈伎 | :41 | 「―――それが、掟だからだ」 |
千波流 | :42 | 「比奈ァッ!!」 |
(ダンッ!! 冷め切った比奈伎の態度に、珍しく本気で切れた千波流、怒りのあまり 比奈伎の胸倉を思い切り掴んで、壁に叩きつける) | ||
比奈伎 | :43 | 「グッ!!」 |
睦月 | :44 | 「キャーっ!!」 |
瀬比呂 | :45 | 「千波流ゥッ!!」 |
彩登 | :46 | 「千波流やめてぇー!」 |
比奈伎 | :47 | 「…ゴホッ…」 |
寿々加 | :48 | 「やめろ、千波流!!」 |
珠菜 | :49 | 「手をお放しなさい!」 |
夜紫乃 | :50 | 「亜夏刃ッ、千波流を抑えて!!」 |
亜夏刃 | :51 | 「(後ろから羽交い絞め)落ち着け! 千波流!」 |
千波流 | :52 | 「離せ…この!」 |
羽霧 | :53 | 「この馬鹿! 話を聞けって!!」 |
千波流 | :54 | 「離せ…!!」 |
各務 | :55 | 「(一喝!!)静まりや!!!」 |
(SE:ばしゃーん!!(佐久弥が勢いよく水をぶっかけます) | ||
各務 | :56 | 「―――愚か者!! 落ち着けと言っておる!!」 |
(全員ぽたぽたしています…) | ||
千波流 | :57 | 「…………」 |
睦月 | :58 | 「(びっくりして)か、各務…、佐久弥…」 |
各務 | :59 | 「―――千波流。年長者のお前がそんな事でどうする。少し頭を冷やしたらどうえ?」 |
佐久弥 | :60 | 「(息をついて)冷静になるんだ、千波流」 |
伊織 | :61 | 「千波流ゥ! アンタの気持ちはすごく良く分かるよ! アタシたちだって何にも知らなかったから。けど、今アタシたちは…、 自分たちが何をすべきなのか…それを考えるべきなんじゃないの!?」 |
千波流 | :62 | 「…!」 |
各務 | :63 | 「(溜息)…やれやれ。少しは頭が冷えたかえ」 |
千波流 | :64 | 「(しゅん)…すまん…」 |
佐久弥 | :65 | 「(ぴしゃりと)言う相手が違う」 |
千波流 | :66 | 「(一瞬詰まって)………。比奈伎。…悪かった!」 |
比奈伎 | :67 | 「……いや。多分、俺の方が悪い」 |
彩登 | :68 | 「比奈伎、大丈夫!?」 |
比奈伎 | :69 | 「ああ、大丈夫だ」 |
羽霧 | :70 | 「…あのなあ千波流…。お頭は、まだ無事だぞ」 |
千波流 | :71 | 「!!??」 |
各務 | :72 | 「(またもや溜息)だから頭を冷やせと言うたのに」 |
彩登 | :73 | 「どういうこと?」 |
羽霧 | :74 | 「言葉通りだ」 |
佐久弥 | :75 | 「比奈伎も、死んだとは言っていないよ。『死んだも同然』、と言っただけで」 |
千波流 | :76 | 「何だそれは!? なんで…なんでそれをもっと早く言わない!」 |
珠菜 | :77 | 「何を仰いますことやら。全く人の話を聞かなかったのは、どこのどなた?」 |
千波流 | :78 | 「う…っ……す、すまん」 |
彩登 | :79 | 「(裾を引っ張り)千波流ぅ…もう、怒ってない?」 |
千波流 | :80 | 「……ああ。(息を吐き出す)…すまない。もう、大丈夫だ」 |
夜紫乃 | :81 | 「(ほっと一息ついて・急に明るく呼びかける)…あー、とりあえずさ」 |
瀬比呂 | :82 | 「え?」 |
夜紫乃 | :83 | 「みんな…着替えない?」 |
(回想シーン/SE:小川のほとり・鳥の声・そよ風など) | ||
朱音 | :84 | 「(E)ふふ…お前はずっと変わらないな。…ほっとする。 変わらないで居てくれて、嬉しいよ。…こうして二人でいると、昔を思い出すな」 |
比奈伎 | :85 | 「(E)昔の…? なんのことだ?」 |
朱音 | :86 | 「(E)お前は覚えてないか…? お前がまだ、瀬比呂くらいだったときに、 二人で歩いた…あの木漏れ日の中を―――」 |
比奈伎 | :87 | 「(E)俺が小さかった時―――?」 |
朱音 | :88 | 「(E)あのとき、握り返してくれたお前の小さな手が、今はこんなに力強くなって ―――比奈―――私は―――」 |
比奈伎 | :89 | 「(E)え?」 |
朱音 | :90 | 「(E)―――だからずっと―――していた―――」 |
比奈伎 | :91 | 「(E)お頭!? お頭―――良く聞こえない!」 |
朱音 | :92 | 「(E)一族―――を―――」 |
比奈伎 | :93 | 「(E)朱音ッ!!」 |
佐久弥 | :94 | 「(そっと話しかける)―――比奈伎」 |
比奈伎 | :95 | 「(ビクッと気がつく)…!!」 |
佐久弥 | :96 | 「―――大丈夫?」 |
比奈伎 | :97 | 「………。(息を整える)…ああ…何とかな」 |
佐久弥 | :98 | 「…行こう。みんな待ってるよ」 |
(着替えて、再び会合の間に集まり直しました) | ||
夜紫乃 | :99 | 「…ところで、かなり話を戻す事になるけど…結局、どういう事なわけ?」 |
彩登 | :100 | 「主が死んじゃうなんて…そしたら、どうなっちゃうの?」 |
瀬比呂 | :101 | 「僕ら、これからどうすれば良いの? 朱音さまは、どうなっちゃうの?」 |
各務 | :102 | 「待ちや。順を追って話をしようねえ。 その前に…羽霧。みんなに温かいお茶を淹れておくれでないかえ」 |
羽霧 | :103 | 「お安い御用だ。ちょっと待ってろ」 |
千波流 | :104 | 「…酒はあるか?」 |
珠菜 | :105 | 「ありますわよ。―――思いっきり目の覚めそうなのが」 |
(一服。ようやく、みんな落ち着きを取り戻します。それだけみんなにとって、朱音の存在は大きいのです) | ||
亜夏刃 | :106 | 「―――では…お頭は、主の屋敷に幽閉されているという事か?」 |
佐久弥 | :107 | 「いや…それはまだ確定じゃない。私でも調べきれなかったんだ」 |
夜紫乃 | :108 | 「それにしても驚いたなぁ…佐久弥が、 ずっと前から、主に対しての間者をしてたなんて」 |
伊織 | :109 | 「それで、時々、戦に参加してなかったんだ」 |
佐久弥 | :110 | 「そういうことなんだ。ごめんね」 |
各務 | :111 | 「どうしても、確信を得てから動きたかったからねえ」 |
夜紫乃 | :112 | 「良いけどさ…ちょっと、水臭いよな」 |
各務 | :113 | 「許しておくれ。確証がないうちは、うかつに動けなかったのだよ。 それに、不安定な状態でお前たちを巻き込みたくはなかった」 |
千波流 | :114 | 「そこが水臭い、と言うんだ。…これからは、隠し事は無しだ。全部洗いざらい話せ」 |
佐久弥 | :115 | 「うん。―――みんなは、「主」の存在に対してどう思う?」 |
千波流 | :116 | 「どう、というのは…」 |
各務 | :117 | 「素直に、思っている事を言うてごらん」 |
彩登 | :118 | 「ええと…鬼火一族の、一番上に立つ、エライ人?」 |
瀬比呂 | :119 | 「朱音さまに、良く声をかけてくれて、すっごく大きなお屋敷に住んでるって」 |
佐久弥 | :120 | 「ほかには?」 |
伊織 | :121 | 「二人の答えに似てるけど…アタシたちを、使う人」 |
夜紫乃 | :122 | 「だって僕たち、その殿様を勝たせるために、戦ってるんだよね」 |
羽霧 | :123 | 「何かと言うと、お頭を呼び出すわがままなヤツ」 |
珠菜 | :124 | 「けれど、そのお頭すらも、お顔を見たことが無いお方」 |
寿々加 | :125 | 「俺たち自身は、顔どころか…声も聞いてねえ」 |
千波流 | :126 | 「位の高いものは、そうそう下の者に顔を見せたりはしないんだろ」 |
亜夏刃 | :127 | 「それにしても…お頭ですら顔を見たことが無いというのは…」 |
睦月 | :128 | 「あとは…斉彬様っていうお名前くらいしか」 |
比奈伎 | :129 | 「…それと。『掟』を作ったヤツという事だ」 |
千波流 | :130 | 「!」 |
佐久弥 | :131 | 「…主は……とてもおかしいんだ。お頭も、御簾越しとはいえ、拝謁の時 向こうに確かに人影はあって、声もごく普通の青年の物で、 こちらが言うことにも、きちんと答えて下さると言う。…でも私たちは、鬼火一族だ。 私たちのこの『目』は、決してごまかせない」 |
伊織 | :132 | 「…どういうこと?」 |
千波流 | :133 | 「待てよ。つまり、御簾の向こう側の人影ってのは…」 |
佐久弥 | :134 | 「…そう。多分、人間じゃない」 |
瀬比呂 | :135 | 「に、人間じゃない!?」 |
佐久弥 | :136 | 「というよりも…人として、当たり前の気配を感じないらしいんだ」 |
各務 | :137 | 「屋敷内、それも奥座敷に入れるのは、頭領のみ――― 我らも探ろうとはしたんだけれどね」 |
佐久弥 | :138 | 「何故だか分からないけれど…どうしても、中に入り込めないんだ。 屋敷の庭で迷ったフリをして、あちこち探索もしたんだけれど」 |
夜紫乃 | :139 | 「佐久弥ほどの人が…入り込めないの!?」 |
佐久弥 | :140 | 「そうなんだ。それどころか…主の住まう屋敷そのものに、 全く人の気配という物は感じられない。それなのに肝心の場所まで辿り着けない。 途中まで行って、気づくと、元いた場所に戻ってしまっている。 …お頭が、確かに門をくぐり、奥座敷で主と拝謁したはずなのに」 |
彩登 | :141 | 「何…それ…」 |
各務 | :142 | 「おかしいであろ? それに、仮にも『殿』と呼ばれる者が住むのならば、 活気があって当たり前なのに、恐ろしいほどに静まり返った 人気の無いあの屋敷―――それなのに、何処からかの視線は、感じるのだよ」 |
睦月 | :143 | 「それに加えて、佐久弥が入り込めないなんて…おかしすぎますよ」 |
羽霧 | :144 | 「その屋敷に、何かある―――って事か?」 |
佐久弥 | :145 | 「一概にそう、とは言えないけれど」 |
寿々加 | :146 | 「けど、可能性はある」 |
伊織 | :147 | 「どうするの?」 |
珠菜 | :148 | 「もしかしたら…かなりの実力をお持ちの方々が潜んでいらっしゃる可能性も?」 |
亜夏刃 | :149 | 「それはあり得るだろうな」 |
千波流 | :150 | 「とにかく、その屋敷にお頭がいるかいないか、それだけでも確かめたいものだが…」 |
佐久弥 | :151 | 「うん。私たちもそれを考えた」 |
瀬比呂 | :152 | 「じゃあ…その屋敷にどうにかして潜り込むって事?」 |
各務 | :153 | 「(頷いて)だが、それが簡単に出来れば苦労はしない。 入り込むためには、まず、入るための策を練らねばな」 |
彩登 | :154 | 「でも、お屋敷に入れるのは、お頭だけなんでしょ?」 |
伊織 | :155 | 「そうだよね…そういう掟だもんね」 |
亜夏刃 | :156 | 「反乱を起こしたらどうだ」 |
夜紫乃 | :157 | 「…亜夏刃って…時々、思い切った事言うよね」 |
睦月 | :158 | 「でも、良い案じゃないですか? というより、もうそれしか選択肢がないのでは…」 |
千波流 | :159 | 「主を相手に…戦を吹っかけるということか」 |
瀬比呂 | :160 | 「それで無理矢理入るって事?」 |
寿々加 | :161 | 「正面から入れないなら、壁でも何処でもぶっ壊して入るしかないだろ」 |
佐久弥 | :162 | 「―――みんな、ちょっと待って」 |
各務 | :163 | 「佐久弥?」 |
佐久弥 | :164 | 「…みんなに…最初に確認しておく事がある。 今、話していることは総て―――それこそ、反逆罪だ。 主を疑う事も、主を攻める事を考えるだけでも、明らかに掟に反することだよ」 |
比奈伎 | :165 | 「わかってる―――だが…―――俺は一人でも、主に反旗を翻すつもりだ」 |
佐久弥 | :166_01 | 「比奈伎。掟に反するという事は、 それはつまり―――掟を抜ける、という事だ。それは」 |
彩登 | :166_02 | 「お、掟を抜けるって…、そんな事して、大丈夫なの…? 佐久弥」 |
佐久弥 | :166_03 | 「(静かに首を振り)―――掟を抜ける者に与えられるのは、死罪のみだよ」 |
伊織 | :166_04 | 「し、死罪ィ!?」 |
佐久弥 | :166_05 | 「…更に言えば…掟を抜けるという事は、 それは、今まで信じてきた物を総て引っくり返す事にもなる。 …それでも?」 |
比奈伎 | :166_06 | 「それでも」 |
佐久弥 | :166_07 | 「……」 |
比奈伎 | :166_08 | 「―――それでも、やると決めた。俺が信じているものは、主ではなく ―――この一族、そして朱音だからだ。 とは言っても俺は…副頭領の立場に着いているとはいえ、 朱音のように一族を率いる技量に満ちた人間じゃない。 …だから、ついてくるか来ないかは、お前たち一人ひとりの判断に任せる」 |
佐久弥 | :166_09 | 「……。…―――(微笑む)」 |
寿々加 | :167 | 「(クッと笑って)―――バーカ」 |
羽霧 | :168 | 「今更、何を言ってる」 |
珠菜 | :169 | 「お一人でやれる事には限度がありますわよ」 |
伊織 | :170 | 「ホントだよね、ここまで聞いておいて、 今更『ハイそうですか、じゃあさようなら』なんて言えないよ」 |
睦月 | :171 | 「みんなでやれば、絶対効率良いですよ!」 |
夜紫乃 | :172 | 「そりゃあ、主の崩御には驚いたけど…元はといえば、 顔すら知らない人だもん、はっきり言えば、どうでも良いよねえ」 |
千波流 | :173 | 「その通りだな。重要なのはお頭の生存と 一族の存続であって、主じゃない」 |
寿々加 | :174 | 「とにかく、一族全員で抜けるのが、一番安全だ。 何しろ、一族同士で争わなくて済むだろ? 一族以外の者は、俺たちの敵にはなりえない。実力が違いすぎるからな」 |
夜紫乃 | :175 | 「それともちろん、朱音さまもね」 |
亜夏刃 | :176 | 「(頷いて)最初に、お頭との合流だな」 |
千波流 | :177 | 「そうだな」 |
彩登 | :178 | 「! じゃあ、朱音さま、また戻ってくるの!? 大丈夫なの!?
また、みんな一緒に暮らせる!?」 |
各務 | :179 | 「ああ。そうなるために、そうするために―――戦うのだよ」 |
瀬比呂 | :180 | 「…『戦い』?」 |
比奈伎 | :181 | 「そうだ」 |
各務 | :182 | 「敵は…今まで我らが『主』と呼んでいた者。そして、その周りのもの。 今まで味方であった者が、総て敵に回るという事だよ」 |
佐久弥 | :183 | 「…私たちの一族以外はね」 |
瀬比呂 | :184 | 「うん」 |
朱音 | :185 | 「(E)比奈伎―――私は何より一族が大切だから、ずっと決めていた。 一族のために命をかけると、決めて…そう、決意していた。 ―――比奈伎。一族を―――。私に万一の時は、一族を、頼む―――」 |
比奈伎 | :186 | 「……今度の戦いは、主のためじゃない。武士との戦に勝つためじゃない。 誰かに勝利を与えるためじゃない。 (一度、全員を見渡して)―――鬼火一族のために。俺たちのために。 お頭のために。そして、自分自身のために戦う。…今、その時が来たんだ」 |
千波流 各務 寿々加 珠菜 亜夏刃 羽霧 佐久弥 伊織 夜紫乃 睦月 瀬比呂 彩登 |
:187_役名 | ※「(頷く)」 |
珠菜 | :188 | 「…それで? 具体的には…どうなさるんですの?」 |
寿々加 | :189 | 「(得意げに)決まってるだろ。―――まずは、宣戦布告を突きつけるんだ」 |