●鬼神楽● ――――――――――――――――――――――――― 【〜鬼灯の章・第三話{1}〜】 フォルダ名【ho-zuki03-1_役名】 ――――――――――――――――――――――――― | ||
キャラ | :番号 | |
(爽やかな朝。修練場にて、年少組が訓練中、朱音が近寄る) | ||
彩登 | :01 | 「あ! 朱音さまー!」 |
朱音 | :02 | 「彩登は今日も朝から剣術の修練か」 |
彩登 | :03 | 「彩登はもっともっと強くなって、朱音さまをお助けするの!」 |
朱音 | :04 | 「そうか、では期待しているぞ。いつか私の隣に立て」 |
彩登 | :05 | 「はい!」 |
瀬比呂 | :06 | 「ずるいよ、僕だってずっとずっと訓練してるんだよ!? 朱音さまのお役に立つのは、絶対に僕の方が先! だから、朱音さまの隣も僕!」 |
彩登 | :07 | 「彩登が先に頼まれたもん!」 |
瀬比呂 | :08 | 「ええー!? 早い者勝ちなんてずるいよお!」 |
朱音 | :09 | 「ハハハ! 頼もしいな、彩登、瀬比呂!」 |
各務 | :10 | 「(少し遠くから呼びかける)お頭」 |
朱音 | :11 | 「ん」 |
(何故か心配そうに、朱音のすそを引く彩登に、優しく笑いかける朱音) | ||
彩登 | :12 | 「朱音さまぁ…」 |
朱音 | :13 | 「大丈夫だ。すぐに帰ってくるよ」 |
瀬比呂 | :14 | 「絶対だよ!」 |
彩登 | :15 | 「約束!」 |
朱音 | :16 | 「ああ、わかった。絶対だ。約束する」 |
瀬比呂 彩登 |
:17_役名 | ※「いってらっしゃーい!」 |
(各務と朱音が二人並んで歩いていると、朱音が急に立ち止まり、年少組を振り返る) | ||
各務 | :18 | 「―――お頭、どうした?」 |
朱音 | :19 | 「(やや楽しげに思い出し笑い)…あの二人、やはり一族だな」 |
各務 | :20 | 「急に何を?」 |
朱音 | :21 | 「存外に勘が鋭い…私がどこか遠くへ行ってしまうと感じたようだ」 |
各務 | :22 | 「…お頭」 |
朱音 | :23 | 「ん、何だ各務、急に怖い顔をして」 |
各務 | :24 | 「我は世界の裏は良くわからぬが…それを知る事が良いとも思えぬよ」 |
朱音 | :25 | 「……ん。そうだな…」 |
各務 | :26 | 「お頭。睦月にも言うた事だが、あえて言わせてもらう。『決して無理はせぬように』」 |
朱音 | :27 | 「……ああ。…ありがとう、各務。…肝に銘じるよ―――」 |
羽霧 | :28 | 「(M)―――もし『戦うのが好きか?』と聞かれたら、正直に「嫌いだ」と答える。 楽しそうに戦ってるって? しょうがねえだろ。 どうせやらなきゃいけない事なら、少しでも自分自身が 気持ちを持ち上げていかねえと、心底、滅入っちまうよ。 本当は、肉を断つ感触も、骨を砕く感覚も好きじゃないね。 何よりも、あの、辺り一面に満ちた 血の臭いが最低だ。 あれは、いつまでたっても慣れるようなもんじゃない。 けれど、自分の中にはそれを上回るものがある。 それは、確実に自分の中で自己主張している。 一族の誰も失いたくない。今までの何も失いたくない。 誰か一人でも 欠けてしまう事は絶対にありえない。 だから、戦える。だから、武器を振るえる。 だから、敵を殺せる。命を奪うことが出来る。 主のためだとか、大義名分がどうだとか、 そういう難しい事は、正直どうだって良い。 ただ、自分がそうしたいからするだけだ。ただ、それだけの事。 そうじゃなければ、きっと戦ってなんかいられないだろう。 ―――改めて思うよ。 一族がいなかったら、仲間がいなかったら、俺はここまで強くなれないんだと。 だからこそ、この強さは仲間のために使うんだと」 |
羽霧 | :29 | 「(タイトルコール)『鬼神楽』 〜鬼灯の章・第三話〜」 |
(静かな夜。虫の音などが聞こえてくる。夜中に訪ねて来た比奈伎の続き) | ||
比奈伎 | :29-01 | 「―――それじゃ」 |
朱音 | :29-02 | 「ああ。…おやすみ、比奈」 |
比奈伎 | :29-03 | 「…ああ。…おやすみ」 |
(比奈伎、立ち去る。見送る朱音、ふと佐久弥の気配に気づいた) | ||
朱音 | :30 | 「―――佐久弥か」 |
佐久弥 | :31 | 「―――はい」 |
朱音 | :32 | 「聞いたな(聞いたか、という確認)」 |
佐久弥 | :33 | 「はい。しかし…あのような言い方では、彼はきっと『抜けて』しまう」 |
(佐久弥は、朱音が主と共に死ななければならない事を知っているため、 比奈伎の気持ちを思うと、朱音を死なせないために比奈伎が掟に背こうとするのでは、と考えた) | ||
朱音 | :34 | 「…そうだな。というよりも…むしろ私はそうして欲しいと思っている。 もちろん、あいつだけではなく…全員を引き連れて、だが」 |
佐久弥 | :35 | 「それもあなたの計算のうち、というわけ…。 …あなたは、彼の気持ちを利用するんだね」 |
朱音 | :36 | 「…そうだな」 |
佐久弥 | :37 | 「ひどい人だ」 |
朱音 | :38 | 「そうだな」 |
佐久弥 | :39 | 「でも、つらいね」 |
朱音 | :40 | 「(一瞬、息を呑んで、吐き出す)………ああ、そうだな。 とてもつらいよ。…とても。…佐久弥。比奈伎を頼む」 |
佐久弥 | :41 | 「私で良ければ」 |
朱音 | :42 | 「(去ろうとする佐久弥を静かに呼び止める)―――佐久弥」 |
佐久弥 | :43 | 「(ふと立ち止まる)…?」 |
朱音 | :44 | 「…すまない。お前が一番つらいな」 |
佐久弥 | :45 | 「(ふふ、)こういう事に気がついてしまうのは、私の性格だからね。仕方ないよ」 |
朱音 | :46 | 「すまない―――」 |
(昼間の食堂にて/SE:お湯などの煮立つ音。 睦月が、大の苦手とする料理に挑戦。もちろん、羽霧が指導しているのだが…) | ||
羽霧 | :47 | 「あー!! バカ!! んなトコで塩をふるなよ!!」 |
睦月 | :48 | 「えっでも、どうせ振るんでしょ?」 |
羽霧 | :49 | 「ちょうど良い瞬間てのがあるんだよ! このバカ!」 |
睦月 | :50 | 「もー! バカバカ言わないでくださいってば!!」 |
珠菜 | :51 | 「うるさいこと…どうでもよろしいじゃありませんか」 |
羽霧 | :52 | 「珠菜…じゃあ、お前がやんのかよ」 |
珠菜 | :53 | 「………。(優しく)…睦月」 |
睦月 | :54 | 「は、はい?」 |
珠菜 | :55 | 「駄目じゃありませんか。羽霧の言う通りにやらなければ、ねえ(にっこ)」 |
睦月 | :56 | 「は、はいぃ…」 |
(怖いくらい優しすぎる珠菜の笑顔に、逆らえない、と笑顔で泣きそうになる睦月…) | ||
(修練場にて/真剣を打ち合う音が響いている。 寿々加は、瀬比呂相手に真剣勝負。伊織は、彩登相手に小刀で応戦。彩登は、必死に避けている。 寿々加や伊織に比べ、年少組はすでに息が上がってきてしまっている) | ||
寿々加 | :57 | 「ほらほら…っ、動きが全然ついてきてねーじゃん、瀬比呂ッ! そんなんじゃ…斬られちまうぞ!」 |
瀬比呂 | :58 | 「う、うん! ―――ヤアッ!!」 |
寿々加 | :59 | 「おっ、今の突きは良い!」 |
伊織 | :60 | 「ほーらほら彩登! 余所見しない!!」 |
彩登 | :61 | 「うん!」 |
(さらに修練は続いたが、やがて年少組がダウンして座り込んでしまう) | ||
瀬比呂 | :62 | 「ああ〜! もう駄目だー!」 |
彩登 | :63 | 「彩登もへとへと…」 |
伊織 | :64 | 「(笑って)でもまあ、いつも以上に頑張ったよね」 |
寿々加 | :65 | 「んじゃ、年少組に俺からのご褒美だな! ほーら!」 |
(寿々加、思いっきり変な顔をして下さい(笑)みんな耐えられず笑い出し、転げまわる) | ||
伊織 瀬比呂 彩登 |
:66_役名 | ※「…っ、あはははは!(しばらく笑い転げてください)」 ※「…っ、あは、あはははは! あははは!!(しばらく笑い転げてください)」 ※「きゃははは〜! やだ〜寿々加、すっごい変な顔〜!!」 |
彩登 | :67 | 「あっ、やめちゃ駄目ー!! ねえ、ねえねえ、もう一回やって〜!」 |
寿々加 | :68 | 「(笑って)高いぜ〜」 |
朱音 | :69 | 「ずいぶん賑やかだな」 |
瀬比呂 | :70 | 「あっ、朱音さまー!」 |
各務 | :71 | 「頑張っておるようだね」 |
彩登 | :72 | 「うん!」 |
寿々加 | :73 | 「各務、こいつら、結構やるぞ」 |
各務 | :74 | 「それはそれは…毎日の修練の賜物かえ」 |
瀬比呂 彩登 |
:75_役名 | ※「えへへ」 |
(朱音が、腰の剣を抜きながら寿々加に近づく) | ||
朱音 | :76 | 「寿々加、まだやれるか?」 |
寿々加 | :77 | 「もちろん」 |
朱音 | :78 | 「よし、今度は私の相手をしてくれ」 |
寿々加 | :79 | 「手加減はしませんよ」 |
朱音 | :80 | 「こちらこそ」 |
(お互いに、真剣を構える/しばらくのにらみ合いが続く。 息を呑んで緊張する年少組、嬉しそうに見守る伊織、ちょうどそこに通りかかる夜紫乃は 年少組のすぐわきにしゃがみこんで一緒に見物。亜夏刃、千波流もやってきた) | ||
瀬比呂 | :81 | 「……。(ごくりと息を飲む)…なんか…」 |
彩登 | :82 | 「こっちが緊張しちゃうね…」 |
夜紫乃 | :83 | 「面白そうな事になってるじゃん!」 |
亜夏刃 | :84 | 「珍しいな」 |
千波流 | :85 | 「じっくり見物させてもらうか」 |
伊織 | :86 | 「シィッ! みんな静かに!」 |
朱音 寿々加 |
:87_役名 | ※「―――ハ!!」 ※「ハアッ!」 |
(同時に真剣を突き出し、激しい打ち合いを続ける二人。 朱音が下から剣を振るえば、寿々加はそれを刀の鍔で受け、その勢いで顔面に突き出す。 さらに朱音はそれをぎりぎりで交わし、一瞬で懐に飛び込む) | ||
朱音 | :88 | 「ヤアッ!」 |
寿々加 | :89 | 「クゥッ!!」 |
朱音 | :90 | 「ハッ!!」 |
寿々加 | :91 | 「……」 |
朱音 | :92 | 「……」 |
(喉元に構えられた刀に、ふーっと息を吐いて両手を上げ、明るく降参する寿々加。 軽く笑って、刀を引く朱音) | ||
寿々加 | :93 | 「参った」 |
朱音 | :94 | 「なんの」 |
(一瞬の、すさまじい打ち合いに、大興奮の年少組・ほか) | ||
瀬比呂 | :95 | 「………………………す」 |
彩登 | :96 | 「すごーい!!」 |
瀬比呂 | :97 | 「すごいすごい!!」 |
千波流 | :98 | 「お頭、お見事です」 |
伊織 | :99 | 「さすがですね!」 |
夜紫乃 | :100 | 「途中までは、寿々加がいけると思ったんだけどなあ」 |
伊織 | :101 | 「詰めが甘いよね!」 |
千波流 | :102 | 「しかし…三合目でお頭が下から突いてくるのが、良く分かったな。 あれをかわすのは、至難の業だぞ」 |
寿々加 | :103 | 「ああ、ありゃ勘だよ! 我ながら良く避けたもんだぜ!」 |
亜夏刃 | :104 | 「それを言うなら、寿々加の五合目も、充分意外だったぞ。 自分は、目で追いきれなかった」 |
朱音 | :105 | 「(笑って)それこそ、私だってあれは勘で避けたさ」 |
瀬比呂 彩登 |
:106_役名 | ※「へえええ…」 |
千波流 | :107 | 「勘と言っても、戦歴によるものだからなぁ。やはり、格が違う。 二人とも、良いものを見せてもらったな」 |
瀬比呂 彩登 |
:108_役名 | ※「うん…!」 |
伊織 | :109 | 「要するに、もうバテバテの年少組は、 まだまだ朱音さまの足元にも及ばないって事ね!(瀬比呂を軽く叩く)」 |
瀬比呂 | :110 | 「いてっ」 |
伊織 | :111 | 「あ〜、今日はこれで休めるぅ…」 |
彩登 | :112 | 「むーっ!!」 |
瀬比呂 | :113 | 「伊織!まだ帰っちゃ駄目だよ!」 |
伊織 | :114 | 「ええ!?」 |
彩登 | :115 | 「もう一回修練やるのー!」 |
伊織 | :116 | 「だってアンタたち、さっきもう『バテバテ』だって!」 |
瀬比呂 彩登 |
:117_役名 | ※「僕はまだやれるんだからー!!」 ※「彩登はまだやれるんだからー!!」 |
夜紫乃 | :118 | 「―――(ぽん、と肩を叩いて)いーおり。諦めなよ」 |
伊織 | :119 | 「あーもう! 墓穴掘っちゃった!!」 |
(食堂の引き戸が開き、へろへろの伊織が入ってくる) | ||
伊織 | :120 | 「な、何か飲ませて〜!!」 |
睦月 | :121 | 「あ、伊織! お疲れ様です」 |
伊織 | :122 | 「(卓にもたれ込んで)も〜へとへとだよ! アイツら、諦め悪いんだもん!」 |
珠菜 | :123 | 「(くすくす笑って)お疲れ様ですわね。さ、どうぞ。 (お茶を差し出す)それで、どうなりました?」 |
伊織 | :124 | 「ありがと珠菜! (ひとまずお茶を飲んで一息つく)は〜、生き返る…。 今日は久しぶりに、朱音さまと寿々加が打ち合ってサ、 もちろん朱音さまの勝ちだけど! それ見て、年少組が更に張り切っちゃってサ! キリが無いよ〜」 |
羽霧 | :125 | 「へえ、良い物見れたじゃねえか」 |
伊織 | :126 | 「(興奮冷めやらず)うん、すごかったよ! やっぱり強いよねえ、朱音さま! 寿々加も、良いとこまでは攻めたんだけどさ、結局読まれちゃってて!」 |
珠菜 | :127 | 「残念、わたくしたちも見たかったですわねえ」 |
伊織 | :128 | 「…ところで…。(鼻をひくひくさせて)……何、この臭い…」 |
睦月 | :129 | 「うっ! …えぇーと、それが…そのう…」 |
羽霧 | :130 | 「本当に不思議だぜ…俺がそばで見ながら作ってんのに、 何でこんな物が出来上がっちまうのか…」 |
珠菜 | :131 | 「我が里の、三大不思議ですわね」 |
睦月 | :132 | 「そこまで…言わなくても…(T▽T)」 |
(SE:夕飯の準備・夕方) | ||
伊織 | :133 | 「そうだ! ずっと睦月に相談しようと思ってたんだけど…武器の事なんだけどさ。 鉄砲とまでは言わないけど、何かこう…飛距離を稼いで攻撃できる、 弓矢とは違う武器って言うのを、作れないかなあ」 |
睦月 | :134 | 「―――ええ? そんな物を…? いえそれは…っ、…ちょっと難しいかも…です…」 |
伊織 | :135 | 「…やっぱり…?」 |
睦月 | :136 | 「はい…それに」 |
羽霧 | :137 | 「当面の問題は、比奈伎だろ。 アイツ、長距離攻撃型の物は、なかなか『うん』って言わねえからなあ〜」 |
睦月 | :138 | 「アタシも、そう思います…」 |
珠菜 | :139 | 「では、比奈伎に気づかれないような、音のしない物を作ればよろしいのでは?」 |
睦月 | :140 | 「音のしない物…ですか? それも難しいですね…」 |
伊織 | :141 | 「ていうかさ、いくらなんでも実際に使っちゃったら、絶対バレるよ!」 |
羽霧 | :142 | 「だよなぁ…弓矢だって渋々、って感じのアイツが、納得するワケないよなあ。 戦中だってのに、怒り出すかもしれねえぞ?」 |
珠菜 | :143 | 「では、反対出来ないような物を 作ればよろしいのでしょ?」 |
伊織 | :144 | 「反対出来ないようなモンかあ…」 |
珠菜 | :145 | 「弓矢に似た…例えば、飛礫を、もっと効率よく連射出来るような… 装置というのかしら?」 |
睦月 | :146 | 「飛礫を連射する装置…ですか…(考え込む)」 |
伊織 | :147 | 「なるほど飛礫かあ! そうだよね、アタシとかは指弾は得意だけど、 睦月も珠菜も、あんまり得意じゃないよね。年少組にいたっては、もちろんでしょ。 鉄砲は火薬を使うから アタシも好きじゃないけど、 指弾の原理を生かした装置なら…比奈伎の持論にも反しないんじゃない?」 |
珠菜 | :148 | 「そうねえ…それも、かなり小型化出来れば、 暗器として仕込む事も出来るのでは?」 |
羽霧 | :149 | 「その辺、各務にも意見をもらってみるか」 |
睦月 | :150 | 「そうですね」 |
伊織 | :151 | 「そう思って、実は、武器の小型化の事については、 各務にもう考えてもらってるんだよね。 どう? 出来そう? もしそれが実戦で使えるなら、 年少組の力になると思うんだけどさ」 |
睦月 | :152 | 「―――(いたずらっぽく笑って)はい、わかりました。 じゃあひとまず、アタシに任せてください。今夜から考えてみます。 アタシでも、指弾を有効に使えるようになるんなら、嬉しいですもん。 よおおし、張り切って腕を振るっちゃいますよ!」 |
伊織 | :153 | 「うん、お願い!」 |
羽霧 | :154 | 「ま、少なくとも、睦月にとっちゃ、料理よりは得意分野だしな!」 |
睦月 | :155 | 「羽霧ったら!!」 |
(ここから追加シーン) | ||
彩登 | :155-01 | 「あっ、居た! ねえねえ、睦月!」 |
睦月 | :155-02 | 「はい? あれ? 彩登、どうしたんですか?」 |
珠菜 | :155-03 | 「伊織とたくさんお稽古をして、疲れてしまったと聞きましたけれど?」 |
彩登 | :155-04 | 「ちょっと休んだから、もう大丈夫! 伊織は?」 |
羽霧 | :155-05 | 「さっきまでいたけどな。何か用事だったのか?」 |
彩登 | :155-06 | 「あ、ううん! 伊織じゃなくて睦月に聞きたかったから、良いの」 |
睦月 | :155-07 | 「アタシに、ですか?」 |
彩登 | :155-08 | 「うん、だって睦月、たくさんいろんな事知ってるし… ええと、あの、あのね、ちょっと聞いても良い?」 |
睦月 | :155-09 | 「はい、もちろん。アタシで答えられる事なら」 |
彩登 | :155-10 | 「…あのね。【おかあさん】ってなあに?」 |
睦月 | :155-11 | 「……え、お母さん、ですか?」 |
羽霧 | :155-12 | 「急にどうした?」 |
彩登 | :155-13 | 「…一昨日、お仕事で里の近くに下りたときにね、 里の子だと思うんだけど、女の子が…女の人につかまって、…そう呼んでたの」 |
睦月 | :155-14 | 「一昨日…一緒にお仕事に行ったの、亜夏刃…でしたっけ?」 |
彩登 | :155-15 | 「うん、彩登と、瀬比呂と、亜夏刃と、伊織と、夜紫乃」 |
羽霧 | :155-16 | 「ああ…物資の調達の手伝いだな」 |
彩登 | :155-17 | 「うん、そう」 |
珠菜 | :155-18 | 「…そうですか」 |
彩登 | :155-19 | 「それでね、その女の人も、その女の子にすごく優しくてね、 ええとでもね、彩登が傍で見てるっていう事には、気がついてなくてね…」 |
羽霧 | :155-20 | 「珠菜」 |
珠菜 | :155-21 | 「(頷く)睦月、ちょっと失礼いたしますわね」 |
睦月 | :155-22 | 「あ、はい」 |
(少し離れた所に亜夏刃を引っ張っていき、気持ちこそこそと) | ||
珠菜 | :155-23 | 「…それで? 本当にそうなんですの? 亜夏刃」 |
亜夏刃 | :155-24 | 「……。…そういえば、そうだったかもしれん」 |
羽霧 | :155-25 | 「うかつだぞ、亜夏刃。まだ年少の彩登に里人たちの会話を聞かせるなんて」 |
亜夏刃 | :155-26 | 「すまん。少しだけだが、目を離した時間があったんだ」 |
羽霧 | :155-27 | 「お前が付いていながら…情けない」 |
亜夏刃 | :155-28 | 「すまん、注意が足りなかった。伊織と夜紫乃が一緒だったので、つい」 |
珠菜 | :155-29 | 「(溜息)…聞いてしまったものは、もう仕方ないですわよ。 亜夏刃を責めても何も変わりませんわ」 |
羽霧 | :155-30 | 「そうだな。あとであの二人にも言っておこう…。瀬比呂は聞いてないだろうな?」 |
亜夏刃 | :155-31 | 「だと思うが。瀬比呂は、間違いなく、ずっと自分の傍にいたからな」 |
珠菜 | :155-32 | 「念のため、それとなく確認はしておきましょう…」 |
羽霧 | :155-33 | 「(軽く溜息)全く。年少組に、いきなり掟を破らせてどうするんだよ」 |
亜夏刃 | :155-34 | 「…面目ない」 |
彩登 | :155-35 | 「…? 珠菜、羽霧? あれえ? それに、亜夏刃まで。 どうしたの? そんな隅っこで」 |
羽霧 | :155-36 | 「(心配ない、というように明るく)ああ、何でもねえよ」 |
珠菜 | :155-37 | 「ねえ、彩登。何故、急にそんな話を?」 |
睦月 | :155-38 | 「おかあさんが、羨ましかったからですか?」 |
彩登 | :155-39 | 「え? どうして?」 |
珠菜 | :155-40 | 「? どうしてって…。羨ましいと思いませんでしたの? だから、何なのか、聞こうとしたのではありませんの?」 |
羽霧 | :155-41 | 「おかあさんって、いたら良いなあ…とか、考えなかったか?」 |
彩登 | :155-42 | 「ええ!? 羨ましいなんて思わないよぉ!」 |
亜夏刃 | :155-43 | 「…? そうなのか? それなら、何故?」 |
彩登 | :155-44 | 「(笑って)だって、彩登にはみんながいるもん! 【おかあさん】はいなくても平気だよ? あの女の子には、みんなの変わりに、おかあさんって言う人がいるんでしょ? でも、みんなみたいに、強く無さそうだったし…どんな人なのかなあ、って思って」 |
羽霧 | :155-45 | 「は? …それだけか?」 |
彩登 | :155-46 | 「(明るく)うん」 |
羽霧 | :155-47 | 「ははは、何だよ、それだけか」 |
彩登 | :155-48 | 「そうだよ? ? …? なんか、おかしい?」 |
珠菜 | :155-49 | 「いいえ? ちっともおかしい事なんてありませんわ。…だ、そうですわよ、亜夏刃」 |
亜夏刃 | :155-50 | 「(軽くほっとして)…そうか」 |
睦月 | :155-51 | 「(くすくす…)何だか、ほっとしてますね、亜夏刃」 |
亜夏刃 | :155-52 | 「ん、そうか? …そうかもしれんな」 |
珠菜 | :155-53 | 「でも、彩登、偉いですわよね。もうそんな立派なお仕事をこなせるんですもの。 物資調達も、大切なお仕事の一つですものね」 |
彩登 | :155-54 | 「うん! でも、彩登も瀬比呂も、すぐ戦にも出られるようになるんだから!」 |
羽霧 | :155-55 | 「あっはは、そうか、そりゃ頼もしい言葉だな」 |
彩登 | :155-56 | 「ほんとだもん〜!!」 |
珠菜 | :155-57 | 「あらあら、それじゃあまず彩登は、夜一人で眠れるようにならなくてはね?」 |
羽霧 | :155-58 | 「あははは! そうだな!」 |
彩登 | :155-59 | 「(笑って)珠菜、羽霧、ひどーい!!」 |
睦月 | :155-60 | 「(笑って)じゃあ、今夜はアタシは付いていなくて大丈夫ですねえ」 |
彩登 | :155-61 | 「ええっ!? やだぁ、駄目ー!(笑う)」 |
亜夏刃 珠菜 羽霧 睦月 彩登 |
:155-62 _役名 |
※「(楽しそうに笑う)」 |
(ここまで追加シーン) | ||
(SE:夜) | ||
佐久弥 | :156 | 「―――夜紫乃。どうしたんだ、こんな夜分に」 |
夜紫乃 | :157 | 「…佐久弥さぁ。最近、戦に参加してないけど…どっかに行ってるの?」 |
佐久弥 | :158 | 「何故、そんな事を?」 |
夜紫乃 | :159 | 「いや、何か気になったと言うかさ。 あ、けど、佐久弥を疑った事なんかないよ。これは本当だ」 |
佐久弥 | :160 | 「ありがとう―――シッ! (うかがうように)…誰?」 |
夜紫乃 | :161 | 「(出てきた人物を見て)…亜夏刃? どうしたんだよ、隠れたりして」 |
亜夏刃 | :162 | 「(大きな身体を竦めて)……すまん。なにやら深刻そうだったので」 |
佐久弥 | :163 | 「良いよ、別に。…ね、夜紫乃」 |
夜紫乃 | :164 | 「(何でもなかったように)うん。みんなは?」 |
亜夏刃 | :165 | 「それだ。夜紫乃を呼びに来たんだ」 |
(夜中に、こそこそと集まってくる/そこはかとなく、みんな小声で) | ||
伊織 | :166 | 「…来た?」 |
千波流 | :167 | 「来たぞ!」 |
羽霧 | :168 | 「睦月! 遅いぞ!」 |
睦月 | :169 | 「すいません、年少組がなかなか寝付かなくて… 抜けてくるのに時間がかかっちゃった」 |
珠菜 | :170 | 「それで、例のアレ―――どうなんですの?」 |
睦月 | :171 | 「はい。―――これです(布の中から武器を取り出す)」 |
伊織 | :172 | 「へええ…思ったより小さく出来たね!」 |
睦月 | :173 | 「はい。大きさは最小限に抑えて、 それでいてバネの威力は最大限に生かせるように――― これを、利き腕と反対の方の腕にこうやって装着して…ここを引くんです」 |
羽霧 | :174 | 「実際に、威力は? 試したんだろ?」 |
睦月 | :175 | 「はい。鉄砲の引き金を引くのと同じくらいのわずかな力で、 飛礫を岩盤に めり込ませる事が出来ました」 |
千波流 | :176 | 「(思わず叫ぶ)すごいな!! やったじゃないか、これは世紀の大発明ってヤツだぞ!」 |
寿々加 珠菜 羽霧 伊織 睦月 |
:177_役名 | ※「シーッ!!!」 |
(全員にがばっと口元を押さえられる千波流。自分でも慌てて押さえる) | ||
千波流 | :178 | 「!!」 |
伊織 | :179 | 「まだ比奈伎には内緒なんだからサ…! とにかく、実戦で実際に使っちゃうまでは!」 |
千波流 | :180 | 「そうだった…!」 |
佐久弥 | :181 | 「何が内緒?」 |
(突然声をかけられて、びっくりして全員飛び上がる) | ||
千波流 寿々加 珠菜 羽霧 伊織 睦月 |
:182_役名 | ※「!!」 |
夜紫乃 | :183 | 「こんな遅くに、雁首並べて何 企んでんの」 |
伊織 | :184 | 「人聞き悪いよ!(ぽかっ!)」 |
夜紫乃 | :185 | 「いてっ!」 |
(こっそり、睦月に頼んで武器を作っていた事を佐久弥にバラす。あまり良い顔をしない佐久弥) | ||
佐久弥 | :186 | 「―――なるほど…。そりゃあ、みんなの言い分はわかるよ… でも、どんな理由でも、仲間に黙ったまま、新しい… それも、抜群の殺傷力を持つような武器を 導入するのは、私は反対だな」 |
睦月 | :187 | 「やっぱり…そうですか…」 |
夜紫乃 | :188 | 「素直に比奈伎に話す?」 |
千波流 | :189 | 「絶対反対するぞ」 |
伊織 | :190 | 「そこを何とか、説得する方向で、って事? 難しいなあ…」 |
寿々加 | :191 | 「…うーん…じゃあ、まずは俺が先発隊として出て、討たれるか」 |
亜夏刃 | :192 | 「どういう事だ?」 |
寿々加 | :193 | 「ホラ、こないだ拾ってきたヤツ!」 |
睦月 | :194 | 「―――あ!!」 |