鬼神楽・流の章06

 出演キャスト様
キャラ名 キャスト様 台詞数
ナレーション 3
 水輪一族
漁火 19
10
32
みぎわ 21
1
こさめ 10
14
瀧子 1
 鬼火一族
彩登 15
珠菜 14
夜紫乃 8
佐久弥 4
比奈伎 2


役名 番号 台詞 注釈
穂河武士 001_001 「竜をおろす巫女は死んだ!!もはや我らに恐れるものは何もないぞ!」
ヤマト武士 002_001 「竜神の力を恐れる日々は終わった!」
織山武士 003_001 「巫女姫が死すれば、水輪一族など、ただの烏合の衆、邪魔なヤツラを倒すならいまだ!」
穂河武士 004_002 「水輪を滅ぼせ!!この海を奪うのだ!!」
005_001 「くっそおおお!」
武士全員 006_001 「水輪を滅ぼせ!!」
007_002 「!!(M)ヤバイ――」
【ガキーン!】
008_003 「――!」
彩登 009_001 「――汀っ!大丈夫!?」
珠菜 010_001 「自失なさっている場合ではありませんわよ、武器を構えて!」
011_004 「おま…っ、彩登、珠菜!?」
【ザザッ】
珠菜 012_002 「水輪本家のお力はその程度ですの?もう少し粘ってくださいませ」
(珠菜、また戦いに戻る)
013_005 「(やっと我に返る)なに……やってる!これは水輪一族の問題だ!俺たち一族だけで片をつける、おまえたちは鬼火だろ、関係ないはずだ!」
彩登 014_002 「汀」
015_006 「っ(幼い少女から一瞬強い意志を感じて)」
彩登 016_003 「汀、言ったよね。杯(さかずき)を受けたからには、彩登たちは水輪の家族だって。だから、守ってくれるって」
017_007 「――」
彩登 018_004 「汀は、その言葉を守ってくれた。彩登や珠菜を守ってくれた。彩登、すっごくすっごく嬉しかった。だから、彩登も、珠菜も、汀におんなじことを言うよ!」
珠菜 019_003 「ハッ!(武器を払い、ザッと振り向き)鬼火の珠菜と彩登は、いっときは家族であった者を見捨てて逃げ出すような薄情者ではありませんわよ。ッ!(再び武器を振るう)」
020_008 「……こんな……こんな馬鹿なことをして……、あとで、鬼火のおえらいさんに叱られても知らないからな」
珠菜 021_004 「ふふふっ、大丈夫ですわよ、きっと」
彩登 022_005 「うん、だって――鬼火のみんなは、とおっても優しいんだから!」
【ガキーン!】
みぎわ 023_001 「汀!!」
024_009 「みぎわ!!生きてたか……!」
みぎわ 025_002 「それが、もう駄目だ!って思った時に、目の前を白い風が走って……そしたら急に、目の前の連中の武器がみんな壊れてて。なんなのあれ」
026_010 「白い、風……、(ハッとする)」
佐久弥 027_001 「(E)私は――鬼火の佐久弥」
028_011 「・・・まさか(彩登を見る)」
彩登 029_006 「(にっこり笑う)――ね!」
030_012 「…………、ったく、呆れた連中だな。こんな――ほかの一族の揉め事に首を突っ込んで……、呆れた……お節介なヤツラだ……」
彩登 031_007 「うん。だから彩登、鬼火のみんなが大好きなの!」
032_013 「(ちょっと笑って)それは、…なんだかわかるな。(戦いに戻る)――みぎわ!親父様やみんなは」
みぎわ 033_003 「(戦いながら)汀、私が失せ物探しが得意なの、知ってるでしょ!」
034_014 「じゃあ――」
みぎわ 035_004 「――あれ!」
(視線を投げると、戦う漁火、漣、こさめ、泪の姿が。みんな戦いながら、集まってくる)
漁火 036_001 「汀!!」
037_001 「汀!」
こさめ 038_001 「汀!」
039_001 「汀!」
040_015 「――親父様ッ!!みんな!!よく――生きて」(駆け寄る)
(皆集まる。戦闘から少しはなれる/戦ってきたので軽い息切れ・疲れ)
こさめ 041_002 「鬼の面をかぶった誰かさんがね、神降ろしの儀のとき、館から離れていろと言ってきて……。理由も話さずにいきなりだったけど、とにかく離れてろって言うもんだから。――ほかのみんなにも伝えたんだよ。……だけど」
042_002 「みな、神(かみ)降(お)ろしの儀(ぎ)をひと目見るのだと言って……まさかと思っていたんですが……まさか……こんなことになるなんて」
043_016 「親父様はどうして」
044_002 「親父は、一の島で鬼火と別れた後、水軍の連中に捕らえられてしまっていてな……鬼火の連中も島から離れた後だったから、誰も気づけなかったんだ。さっき、やっと、海から戻ったところなのさ」
漁火 045_002 「すまん、汀。すぐに戻ると言ったのに、合流するのが遅くなってしまった」
046_017 「親父様ッ、……滴……滴が――!」
漁火 047_003 「――みなまで言うな――。わしは……終焉をこの目で見た」
048_003 「!?」
こさめ 049_003 「!?」
050_004 「親父様――」
こさめ 051_004 「……まさか……まさか、滴がこれを……引き起こしたっていうのかい……こんなことを……」
052_003 「滴は――」
漁火 053_004 「(泪の肩に手を置いて止める)…泪」
054_004 「……親父」
漁火 055_005 「滴は、……仲間を愛していた。とてもとても、愛していたんだ。ただ、その方法を、間違えただけだ」
056_005 「……(俯く)」
057_018 「――ッ」
(漁火、生き残った面々の顔を見て)
漁火 058_006 「すまん……どうにかしておまえたちみなを守りたかったが……何人も死なせてしまった……ッ」
珠菜 059_005 「……おつらい報告の最中、邪魔をして申し訳ないのですけれど、今は細かい事情をお話になっている余裕はありませんわよ!(敵を切る!)」
060_005 「……っ、……――そう、ですね(気を取り直し、最後強めに)」
(みんなも戦いに戻る)
みぎわ 061_005 「で、なんなのこの沸いて出たような連中は!」
062_006 「水軍が、瀧子様が死んだことを知って一気に攻めてきたんだ。竜神のご加護はもう受けられない――泪たちは泪たちだけで戦うしかないッ」
みぎわ 063_006 「ちょ・・・っあれ!大筒!!」
(大筒が打ち込まれ、水輪の面々は覚悟を決めたが、そこに一陣の風が飛び込んでくる。
なんと大筒から発射された岩を、変わった形の武器で一刀両断した)
夜紫乃 064_001 「ハァッ!!(岩を一刀両断)」
065_019 「――!!」
みぎわ 066_007 「――!!」
【ドスン、と残骸が落ちる】
夜紫乃 067_002 「――ふぅ。(振り返ってにっこり)今のはちょーっと危なかったね」
彩登 068_008 「夜紫乃!」
珠菜 069_006 「お見事ですわ」
夜紫乃 070_003 「この武器、借り物だからあんまり馴染(なじ)まなくてさー。さすがにさっきのは手が痛いよ」
珠菜 071_007 「くすくす、変に刃こぼれなどさせたら怒られますわよ、きっと」
夜紫乃 072_004 「ええっ、大岩(おおいわ)の切断(せつだん)はさすがにまずかったかなぁ」
みぎわ 073_008 「あ!!あんた!この前、木の上にいた!」
074_007 「これが鬼火とやらの力か……!こんな、すごい者たちが、……助力してくれるというのか?」
彩登 075_009 「うん!」
珠菜 076_008 「微力ですけれど」
佐久弥 077_002 「(音もなく現れて)――じき、鬼火の本陣(ほんじん)も到着するよ」
夜紫乃 078_005 「佐久弥!」
みぎわ 079_009 「本陣って?」
夜紫乃 080_006 「うん!すぐ、うちのお頭たちみんなも合流するんだ。そうなったら、文字通り鬼に金棒だよ!」
彩登 081_010 「――!!あ、あれ……ッ!!波が……!」
珠菜 082_009 「え――」
(下に目をやると、荒れた波の中でも、一際大きく高い波が、水輪の館を飲み込もうとしていた)
083_020 「(半ば呆然とする形で)……あれは――」
みぎわ 084_010 「………………りゅう、だ――」
(その呟きが徐々に、波紋のごとく広がっていく/徐々に戦いもFO)
村人有川 085_001 「竜」
村人織山 086_001 「竜だ」
村人ヤマト 087_001 「竜神」
村人渡瀬 088_001 「竜神!」
村人林 089_001 「竜神だああ!」
村人穂河 090_001 「竜神さまが降りてこられたのだ!!」
村人宮口 091_001 「おお……水輪の館が、竜に飲み込まれる……!」
村人有川 092_002 「竜神のお怒りに触れたのだ」
村人穂河 093_002 「水輪は終わりだ」
村人渡瀬 094_002 「水輪は滅びよう」
村人宮口 095_002 「竜の子ら――・・・水神の一族は死んだ」
村人織山 096_002 「神は――、――もういない」
(高台から、半ば呆然とその様子を見守る、かつて水輪一族と呼ばれていた面々)
こさめ 097_005 「館が……そんな」
098_021 「――親父様」
漁火 099_007 「……おう」
100_022 「『すべて終わったら綺麗さっぱり死んで償おう』」
漁火 101_008 「!」
みぎわ 102_011 「!なぎさっ!?」
103_023 「(みぎわを抑えて)……なんて顔してるけど、そんなの、俺は許さないからな、絶対」
漁火 104_009 「……汀」
105_008 「親父」
漁火 106_010 「――だが……わしは、一族の長(おさ)としては失格(しっかく)だ。あまりにも多くのものを失いすぎた。一度は家族として受け入れた杯組(さかずきぐみ)の多くはもちろん、濠(ごう)や潤(じゅん)河(か)……幼い洋汰(ようた)も…………瀧子(たきこ)様も、……そして、滴(しずく)も……!」
107_024 「親父様……」
みぎわ 108_012 「――――親父様」
漁火 109_011 「(みぎわを見る)」
みぎわ 110_013 「私がいる」
漁火 111_012 「!」
みぎわ 112_014 「私がいる。汀がいる。漣が、こさめが、泪がいる。まだ、みんながいる……!!」
漁火 113_013 「みぎわ……」
114_025 「そう……そうだよ、親父様っ」
みぎわ 115_015 「私たちは、神の一族なんかじゃない。ただの水輪一族だよ、親父様。ただの水輪の家族。――最初っからね!」
漁火 116_014 「……ただの……」
117_026 「竜神がいなくても、家族がいるよ、親父様」
漁火 118_015 「汀……」
119_009 「……泪たちはこれまで竜神の子をやってたくらいだ、人の子に生まれ変わることなんて簡単さ、きっと」
みぎわ 120_016 「(くすっ)そうね」
漁火 121_016 「泪……みぎわ」
122_027 「俺たちは竜神の子じゃなく、ただの人の子で、ただの人の技しか持たないけど……、でも、だからこそ――人には通じる」
みぎわ 123_017 「(頷く)」
124_010 「(頷く)」
こさめ 125_006 「(頷く)」
126_006 「(頷く)」
127_028 「……いまは、ただ――」
比奈伎 128_001 「(E)おまえは、なんのために」
(だんだん戦いがF・IN)
129_029 「いまはただ、家族を守るためだけに戦いたい」
みぎわ 130_018 「――(ふわりと微笑んで、頷く)」
131_011 「――(ふわりと微笑んで、頷く)」
こさめ 132_007 「――(ふわりと微笑んで、頷く)」
133_007 「――(ふわりと微笑んで、頷く)」
珠菜 134_010 「(それを見つめ、頷いて)――さあ、みなさま!ここが踏ん張りどころですわよ!水輪の頭領、漁火殿!水輪のご家族へ、ご指示を!」
漁火 135_017 「――」
(漁火、ゆっくりと面々の顔を見渡す)
136_030 「親父様!」
みぎわ 137_019 「親父様っ」
こさめ 138_008 「親父様!」
139_008 「親父様!」
140_012 「親父!」
漁火 141_018 「――(一つ頷いて)みな――死ぬな。絶対に生き残れ。――絶対に!」
みぎわ 142_020 「おう!」(水輪と鬼火、別収録)
143_031 「おう!」
144_013 「ああ!」
こさめ 145_009 「おう!」
146_009 「はい!」
彩登 147_011 「うん!」
珠菜 148_011 「はい!」
夜紫乃 149_007 「おうっ」
佐久弥 150_003 「(微笑む)」
***
(キャストコール)
ナレーション 151_001 「―――時は戦国」
ナレーション 152_002 「そこには『竜』と呼ばれた一族が居た。海の猛者(もさ)と呼ばれる水軍をもってしても決して追いつくことも出し抜くことも出来ぬとされる船と波を操る術(すべ)はまさに海を支配する竜神がごとく。決して歴史の表舞台には名を残さないその一族を―――『水(みな)輪(わ)一族』と言った―――」
ナレーション 153_003 「原作、ヤマトアキ。オリジナルボイスドラマ『鬼神楽』〜流の章〜」
(役名・キャスト名(メインのみ))
漁火 154_019 「漁火。穂河栞奈」
155_010 「漣。林あさ」
156_032 「汀。有川和壱」
みぎわ 157_021 「みぎわ。織山カヨ」
158_001 「滴。宮口夕樹」
こさめ 159_010 「こさめ。渡瀬絵美」
160_014 「泪。ヤマトアキ」
瀧子 161_001 「瀧子。穂河栞奈。林あさ」
彩登 162_012 「彩登。林あさ」
珠菜 163_012 「珠菜。渡瀬絵美」
夜紫乃 164_008 「夜紫乃。穂河栞奈」
佐久弥 165_004 「佐久弥。宮口夕樹」
比奈伎 166_002 「比奈伎。ヤマトアキ」
***
【穏やかな波の音】
彩登 167_013 「――海って、ほんとうに、すごく綺麗……。……汀たち、どうしてるかなぁ」
珠菜 168_013 「(そっと近づいて)――彩登」
彩登 169_014 「珠菜」
珠菜 170_014 「さあ。鬼火の里へ――わたくしたちの里へ帰りましょう、彩登」
彩登 171_015 「うん!」
【終わり】
2012年7月・8月収録


formed by N的シナリオチェンジャー